安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アッティサーリ、ほか
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〈 2008年 12月 11日 木曜日 )


●おとぼけと演出、ナイスで厳しいアッティサーリ
ノーベル平和賞のアッティサーリ(Martti Ahtisaari)が受賞後、おなじオスロ市庁舎での対談をライブと再放送で2度見る。番組が終わって拍手、自分でも拍手する番組は珍しい。ナミビア、コソボ、アチェ、スンニとシーアの協力につながったイラク部族和平など業績を紹介する紙面/サイトがいくらでもあるので省くとして、アッティサーリの人柄とスタイルを伝えるエピソードを番組(CNN,例年 Jonathan Mannがインタビュアー)からすこし、文言を簡潔に前後ミックスして要略:

▽サッダム・フセインが最悪
サッダム、ミロソヴィッチ、ムガベ 3人のジェントルマンではサッダムが(悪人)No1。ミロソヴィッチは(和平妥結により)サッダムに匹敵する悪行をする時間がなかった。調停はフレンドリーに礼儀正しく話し合う、そのように親に教育されました。テロリストと名指しされた者も話し合いに出るが、後に閣僚になっているよ。

▽時に戦争も必要
「湾岸戦争のあとイラクを非難する報告書を出した。イラク侵攻は国連で否決されたがあのときにフセインを倒すべきだった。殺戮が続行されているなかで和平交渉を保持する意味はない。ときには武力で阻止しなければならない。NATO軍によるセルビア攻撃は必要だった。コソボに入るための保険がバカ高いのでフィンエアー機でベオグラードに入るため爆撃を中止してもらった」。

▽ アッティサーリの頑固評について
「わたしにはノルウェーの血が5分の1とスウエーデンの血も5分の1混ざっているが、家内に寄ればノルウェーの頑固さとフィンランドの頑固さのコンビネーションは平和を作るそうです」。交渉に参加したそれぞれが言うには、アッティサーリ氏はナイスでもフレンドリーでもない、冒頭から厳しく要求するとの質問に、「交渉には劇的演出も要る。ナイスマンには時にイラつくことがある。長らく交渉に携わった交渉者から『あなたは厳しく困難なことをナイスに言う』と評された。私に寄せられた最高の賛辞です」。

関連コラムはココにもあります。

●ビッグトラブル
▽ デトロイト:ビッグスリー救済が持久力のあるフォードを除いて2社に140億ドル。ということで上院でも採決されるとおもいきや反対共和党議員が翻意するどころか怪気炎をあげています。国民の60%以上が賛成しないことに意を強くしたのか、土壇場で怪しくなってきました。
▽ シカゴ:オバマの地元、イリノイ州知事ブラゴジェヴィッチ知事はシカゴ・ギャングのゴッドファーザーみたい。その奥さんがあちらではレディー・マクベス、日本なら親分をうしろで入知恵しあやつる大姐御というから、オバマも格好わるい。裁判を待たずに辞職を勧告する、さもありなん。オバマの応援演説で名をあげたジェシー・ジャクソンJRが上院候補者になるため知事にミカジメ料を払った疑惑など。

●オバマのベスト好き
オバマは閣僚並びに閣僚級人事にトップを蒐集家のようにかき集めている。それが最良人事かどうか、飛車角金銀ばかりで将棋はさせませんぞ。内定した人材は、エネルギー長官にノーベル物理学賞のチョウ先生、新設の気候補佐官(監督官?)にクリントン政府の環境保護局長だった女性のキャロル・ブロウナーを、そしてトム・ダシル前民主党院内総務が厚生長官に返り咲き。みなさん誘いに一発でなびくようで、これまでお断り辞退したのは環境のゴア、エネルギー長官に打診されたが知事の義務を捨てられないシュワルツネッガーだけかな。(了)



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