安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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日本帰省日記 (13) 久賀島
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( 2017年 1月 28日 土曜日)


●久賀島
長崎からの快速線(ジェット・フォイル)は2階建て全指定席で、ほぼ満員あきがほとんどない。みんなが観光客であるわけでなし、実際はほとんどが勤め人であったり、造成・建設に携わる人と見える。土日の観光客は来ないだろうと下踏みして、この金曜日に観光コースを予約しておいた。だから、快速線の方は予約していなかったのだが、まさか通勤に使われているとは及びもしなかったのである。帰りの当日券が取れなかったのも頷け、気がかりがつきまとう。

さて、福江港に着くと、天気はよし、暖かいのが嬉しい。歩いて隣の埠頭から小さなボートにガイド氏と、今顔を合わせた6人の女性とアダチ夫妻。ボートは甲板がなく船室だけ、観光用に改造した元は漁船といった趣の、年代物の感じが良い。運転手はガイド氏と同じ年頃、二人が土地の言葉で会話していると、所々よくわからないが、柔らか滑らかでな語調だ。。

当日のグループは若い人がいなくて、女性の二人組ばかり、皆さん関東方面の方、お年寄りの二人は拙子より一つ若い。皆さんがクリスチャンではないことは教会を見て回るうちに自然とわかるものの、よほど興味がおありなのか、この方面、禁教の歴史はよくご存知である。

ガイド氏は50代と思うが真面目で熱心な土地の人、隠れキリシタンの末裔、もちろん今もカトリック教徒である。船の中で我々の方を向いて倒れないよう肩肘を座席の背にかけ、ファイルをめくりながら一所懸命にコースの説明、窓からの景色を語る。朴訥というか、大げさには島の歴史の重みを感じさせる人柄、実際、よく太って顔が丸っこい。

●マグロ稚魚の養殖場
遠く福江島の波打ち際に広い養殖場が見えた。マグロの養殖場ですとのこと。「近大マグロですか」と問えば、豊田通商がマグロの稚魚を育てていますとのこと。するとこの稚魚はそっくり提携する近大側に運ばれ、近大マグロとして出荷するわけだ。
「浦賀カトリック教会」が森の中に見え、しばらくゆくと突端に「堂崎教会」が見える、どちらも新しい迫害後の建造である。だが、仏寺の方がはるかに多く、どの海岸集落にもあり、墓地も見える。

●浜脇教会
久賀島は田ノ浦港に入る。人差し指をクルっと輪にしたような絶好の入江にある。海沿いにしばらくミニバスで走ると岸辺に鉄筋コンクリの「浜脇教会」がある。明治椿の名所と言われるが、ミニの広さ。明治14年、晴れて人目につく海岸に建てられた。今の建物は昭和6年に建て替えられた。司祭は一カ月に一度だか、いわゆる巡回神父さんが来てミサがあるそうですが、何せ若い人がいない。島に仕事はないから若者は出てゆき、ミサに出るのはお年寄りの信者さんが4、5人だけという。

青空に白亜の「浜脇教会」。アレェ、鐘楼頭頂に映える十字架が入ってない。

さて、明治の旧木造教会は? 同じ島の西側入江にそっくり移築され、「旧五輪教会」となった。重要文化財指定、ユネスコ世界遺産候補である。で、浜脇の人が「五輪にあげんときゃよかったに」と悔しがったそうです。(続く)








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