安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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奈良零れ百話・山焼きで人身事故
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( 2016年 9月 23日 金曜日)


●想い出の山焼き
若草山の例年行事、山焼きは1月の第4土曜日に行われるが、以前は15日・成人の日と決まっていた。その頃から、麓では仕掛け花火が催され、シュルシュルと燃えて文字や絵になるさまに
見入っていた。見物客が持ち寄ったお正月のしめ縄を集めて、山焼きの火つけとともに点火され、ぼうぼうと燃えさかるのを離れて見ていた。山まで行かなかった年は我が家の屋根の上から全てが見渡せた。ワクワク楽しい想い出である。

消防団員が松明で枯れ草に点火する前に、拡声器が「危険ですから山を下りてください、放火を始めますから急いで下山してください」とがなりたてる。すると一斜面にいた見物客が駆け下りてくるのです。今ほど安全や類焼に警戒が十分でなかった。

●山焼きの人身事故
昭和25年前後だったと思う。下山そびれた少年が、焼死する事故があった。火に煽られて2重めへの北側の谷に逃げ込み、燃え下がってきた炎に逃げ場を失ったとみられる。この谷間は背の高さもあるススキの原で、火に巻かれたら最後である。

野焼きなどで突然風向きが変わり、焼死事故があることはよく知られている。若草山で病気や弱った鹿が逃げ遅れて焼死することは今でもあるが、人身事故があったことはなぜか、話題にされない。事故は成人式の日だったたから、当時の新聞で簡単に調べがつくのに、地元にいない拙子には叶わず歯がゆい。

拙子は二人の少年が焼死したような記憶があるので、知人に電話で確かめると、年下の知人は一回だけでなく、2回ぐらい続けてあったでェと言う。あやふやで信じられない。

かなり年上の知人は一回だけ、小学生か中学生で一人だけだと言う。そして頂上辺りで警戒していた消防員が逃げる少年を見つけたが、火の勢いが強く助け出せなかった。昭和25年より後と思う。とのことでした。






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