安達正興のハード@コラム

Masaoki Adachi/安達正興


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奈良零れ百話・三笠山と御蓋山
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( 2016年 9月 18日 日曜日)


●若草山と三笠山
若草山と三笠山は同じと記憶にある。町内の子供仲間とは「若草山」と言い合っていたが、傘を半開きにして伏せたような三重の芝草山を三笠山というのは自ずと浮かぶ形容である。

今の若草山を大正、戦前までは三笠山と呼んでいた。実際大正時14年の「奈良名勝案内図」には「三笠山(刺草山)」、「春日山(御蓋山)」と記され、昭和初期、大文字や旅館が発行した地図には水谷川を境に北を三笠山、南を御蓋山と書いている。


観光招致のために、刺草山(イラクサ山)と呼ばれていた現在の若草山を三笠山にして、御笠山とは別の山名にしたのである。そして、観光が勝った。現在の多くの地図、国土地理院の地図にも『若草山(三笠山)』と併記されている。ただ御蓋山も発音が同じミカサヤマなので混同を避けて、若草山が一般的ではある。

●三笠山と御蓋山
だが、万葉時代は三笠山と御蓋山は同じ山だった。万葉集の次の二首は三笠山と御蓋山を詠んでいるが、両山とも現在の御蓋山を指している。「三」と「御」は同じと言う。当たり前だが、万葉時代に全山芝草の山はなかったので今のように三重に見える山はなかったのである。

万葉集373
    高鞍の三笠の山に鳴く鳥の止めば継がるる恋もするかも (高鞍=高座)
万葉集1102
    大君の 御笠の山の 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ (細谷川=率川)
がある。百人一首の 
    天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
では「春日なる」だから御蓋山を指しているのは明らかだ。

そういえば奈良名物大きなのどてら焼きの「三笠まんじゅう」3つ入りではなく、単品包装でした。






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