-------- ----------------------------------
日本人的情報伝達(2)
------------------------------------------
( 2016年 4月 18日 月曜日)
● 下条哲司教授がベルゲンで詠んだ俳句
雪に想う 昨日日本の 桜かな これ、当地にいると本当にそうなのです。こちらでは雪や霰がまだ終わらないのに、日本の桜便りがネット新聞を賑わす。ああ、拙子も友と夜桜で花見酒をやりたいなァ……としみじみ想うのである。 この句について下条先生曰く: 雪が舞う 昨日日本の 桜かな あやめもなき 池にそぼ降る 氷雨かな 下条先生曰く: 春雨の 冷たき枯れ野 ひとり行く ●詩心を呼び覚ました外国独り暮らし 帰国前の10日ほど、我が家の「離れ」に住んでいたので、夕方よくお邪魔して駄弁ったものです。その頃は俳句でなくて詩を書かれていた。離れと呼んで入るが、我が家から100m近く山に入ったフィヨルドを見下ろす丘にある山小屋である。大きな窓の正面にベルゲンのフィヨルドを眺めて、やはりちょっとセンチな詩、北原白秋とサトウ ハチローをミックスしたような詩作に興じておられた。生意気ざかりの拙子にはいささか面映ゆく、しっくりこなかった。 しかし話題の豊富なことは、天下一品、下条先生と肩を並べるの「物知り」かつ「智慧者」は我が全生涯での知己に3人といない。拙子が友だち付き合いながら先生と呼ぶはこの3人だけである。 |
|