安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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帰省中-4風評被害
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( 2015年 11月 15日 日曜日)


●会津郡山にて
札幌から空路福島に入る。福島市内の中級ホテルが取りにくかったので郡山で一泊する。福島空港から郡山駅行きのバスに乗って、でも郡山駅からホテルまでかなり遠く、バスや市電を乗り継いで行く根気がないのでタクシーでホテルへ、車中で運転手さんに東日本大震災についてこの郡山ではどうだったか尋ねてみた。その話の大要です。

●郡山の地勢と土砂崩れ
郡山では土砂崩れの被害が出た。北に活火山として知られる名山「安達太良山」(あだたらやま)があり、この阿武隈山地から南に谷盆地が伸びていて、その谷盆地の始まって間もなくの平地に郡山市が広がっている。ですから郡山市でも北部の地盤はしっかりしているが、その先は堆積層であり軟弱な地盤です。江戸時代から明治の治水工事が進み、やたらとダムを作りましたがお影で谷盆地は湿地から農地。住宅地へと発展したのでした。

運転手さんの話によると、洪水にはならなかったけれど、目に見える被害では土砂崩れで倒壊した家屋が一番の被害でしょうか、という話、そこで上記のような谷盆地である地形.地勢のことも話、やはり谷盆地の南側、すなわち低くなってゆく下方に土砂崩れが出たという。

しかしこの地で生業(生業)を営む人々にはこの地に縛られているわけで、土砂崩れへの対策を講じるほかない。個人ではムリなので市政の仕事ですが、どうも公共で根本的な土砂崩れ防止の工事を始めたとは聞かない。今後も大雨は頻繁に起こることであり怖い話である。

●お米の風評被害で父娘が対立
運転手さんが一番腹を立てていたことは「風評被害」である。ある米農家の娘さんが結婚して東京に移ったので、お父さんは毎年できたお米を娘のところへ送り続けていた。郡山のブランド米は『あさか舞』といい、娘も父が送ってくれるお米を毎年楽しみにしていた。

ところが震災の年、東京にいる娘が「おとうさん、今年の米は送らなくていいからね」と言ってきた。これにはおとうさんがカンカンになって、「もう絶対娘にオレの米はやらねえ」!、と知り合いであったこの運転手さんに息巻いたという。何といっても現地のものが買ってもらえないことが腹立たしく、これは日本国民のすべてに向けられた風評被害の怒りである。

支援活動や支援金もいいが、本音のところで地場産業を潰すような風評が一番腹立たしいとのこと。 ついでに韓国が未だに東北の水産物を輸入禁止にしているのは、イジメ以外の何物でもないと反韓である。全く同感。

●放射能へのいわれなきシャットアウト
実際、あぶくま台池から流れる清水に放射能の影響はなく、この辺りに到達する空中の放射能が稲穂に落ちる微量な放射能など人体に影響するワケがない。常識で考えればわかることではないか。北欧の地層は大変古い玄武岩の上にあるわけで、家の真下から放射能ラドンを相当量放出するところがあり、健康にどうのという調査がいっぱいあるけれど、だからと言って引っ越しする人は皆無。

拙子は原発廃止を望むものであるが、放射能の実体とかけ離れた原発廃止派には与しない。






Pnorama Box制作委員会


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