安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ベルゲンの氷室(ひむろ)
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( 2015年 5月 13日 水曜日


「奈良零れ百話」のシリーズに、氷室神社について一筆し、世界中どこにでも氷室があると補足していたとおもいます。それで、先日、雨が降らない天候だったので、ベルゲン市内にある北の山へ散歩に出かけ、昔の氷室跡を写真に納めてきました。それをご紹介。


ベルゲンの背後は300〜600mの山並み、大きな池がたくさんあり、恰好の山歩きができます。拙子が運動のため家内とよく行く散歩道は広幅のアスファルト道路、もちろん車は立ち入り禁止ですが、山林管理のトラックやゴミ収集車、はては救急車が通れるようにアスファルト敷きなのです。

氷室は当地の言葉で「氷貯蔵庫」と普通の言葉で呼ばれ、ぜんぜん神霊が坐(おわ)します雰囲気はない。
前の池は小さく見えますが、細長く500mはある。Langvatnetと呼ばれ、英語でThe Long Water, 日本語なら長池ですね。
その長池の北端、つまり直ぐ下の町(経済大のあるあたり)に夏に氷を運び降ろすのに便利だからでしょう。


貯蔵庫の入口、門も屋根も残っておらず標識もないが、整備されベンチがひとつ置かれていた。


中はかなり広く、陽のあたらない陰側にある。
いまは樹々が伐採され青空がみえているが、左側は80mの差で山があり、いつもひんやりした場所である。


内から門を通して長池(標高225m)が見える。石垣の厚さは優に2mある。
屋根は残っていませんが、石組の様子から150年前くらいか、その頃からンベルゲンのこの方角に人家や工場が広がったので合致する。もちろんもっと古い氷置き場がベルゲン中心に近い場所にあったのですが、跡は崩れている。


門の前に船着き場があり、氷が20〜30センチの厚さになったころ切り出して前の貯蔵庫に入れ、夏に利用した。
カルガモの雌が一匹浮かんでいます。


つがいの雄でしょうか、上から見張っていた。

ノルウェーの湖にできる天然氷や、海に落ち込んでいる氷河から氷塊を船に乗せてイギリスほか、アメリカにも輸出していた。1890年頃のピーク時には年間55万ォに達したといわれる。製氷技術が開発されて衰退したが、ロンドンには輸入天然氷を貯蔵する二重壁のIce Houseが埠頭に並んでいたという。






Pnorama Box制作委員会


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