安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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チューリップと運河の旅
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( 2015年 5月 5日 火曜日


永らくご無沙汰、20日ぶりとは月日のたつのはなんと疾いものか。四月17日からオランダ,ベルギーへ11日間、チューリップを見に行っておりました。帰ってから急に多忙を極めコラムが滞り20ぶりになった次第です。

旅行は、花屋さんをしている奥さんと絵描きさんの主人、H夫妻に同行。Hさンが、1915年の春、チューリップが咲き誇る頃にオランダに行きたいというので、そんなら私も一緒にいきましょう、てな塩梅になりました。Hさンは拙子の帰省中に必ず一緒に一泊温泉旅行する常連で、先年もヴェニスへ同行したともだちである。気心は知れているし、拙子が言葉の方を受け持っての珍道中です。そのとおりたのしい珍道中になりました。有名なガーデンのお花畑や運河の風景の写真など珍しくもないので、一枚だけにしてハプニングを書いておこう。


Groot-Bijgaarden ブリュセル近郊、グロート・ベイルハーデン城の庭園、その一角

●初っ端から大騒動
16日夜、オランダ・スキポール空港からバスに乗って40分ほど、目的地のホテルに着いたら、やけに貧弱なホテルである。中に入ると先に日本から着いているはずのH夫妻が,ロビーとも呼べないフロント前の板張り椅子から立ち上がるや、『安達さん、ここはダメです。別のホテルをさがしてください』と。いつもとは打って変わった深刻ぶりで言う。

このホテルはHさんが日本の旅行代理店に航空券やホテルを予約して、支払済である。私も同じホテルを注文してもらい、当地で落ち合ったときに清算する事になっていた。で、先に航空迎えのタクシーでホテルに着いたHさン夫妻は、室に入るなりビックリ、二段ベッドで、天井の電球が一個きり、コンセントが無くスーツケースがやっと入るスペースで、スーツケースが開けられない。非衛生的である。エレベーターはガタピシでキーキー音を立てるので、階段を降りて拙子の来るのをまんじりともせず待っていたのであった。

Hさン夫妻はいつも利用する旅行代理店が決めた安ホテルで、いままで困った事は無かった。今回はまさかとびっくりした様子。此所はバックパッカーのための二つ星で、二段ベッドで相部屋にするタイプだった。

やることは二つ、アムスに5泊の別ホテルを確保する事と、この×ホテルをキャンセルすること。

フロント嬢曰く「キャンセルは関知しない、契約は日本の代理店に言ってくれ、明日朝にマネージャーが来るから相談したら」の一点張り」ラチがあかない。とにかく近くにあった二軒の小さなホテルに直接当ってみたがフルブッキングで二部屋では空きがない。親切なフロント嬢にロビーを借りて、携帯でブッキング・コムの予約を始めたが、小っちゃな携帯ではムリである。何度やっても途中からやりなおしする始末。持ってきたタブレットを壊してしまったのが無念である。

● 地獄に仏、友あらばこそ
しょうがないから、アムス在住の知人N壌に電話で事情を説明し、ホテルを見つけて呉れるようにお願いした。必要事項(拙子の口座番号や住所氏名、旅券番号など)テキパキとメモしてすぐ調べてみますと快諾を得る。
折り返し、Nさんから電話で、『今夜のホテルは取れました。同じホテルで21日の夜がネットで満室になっているが、フロントに電話すると当日二部屋空きがあるので、ブッキング係りが明日の朝9時に来るのをまって直接交渉してみます。23日から26日にかけての4日つづきの分はダメ。この分は別のホテルを探すことにして、そちらのダメホテルへ◯時半に行きますから、新しいホテルの方へ一緒に行きましょう』と折り返し電話がある。渡りに船、もとい地獄に仏とはこのことですな。海外育ちで欧州在住歴が長いNさんがアムスに居るお陰、年は離れるが拙子の親友であればこそ、『Nちゃん,ありがとネ』。

他力であっても難関を通過すると人間は現金なもの、たちまち元気になってNさんが来る時間まで最初の夕食に出かけました。手頃なピザレストランがあったので入ると超満員、1時間待ちという。でも待った甲斐がありました。下地が薄く美味しい本格ピザ、ワイン良しサラダは大盛り、でかいピザを平らげ満腹なり。

●代りのホテルへ
所定の時間にNさんと落ち合って3人で今夜のホテルへ、アルテミスというデザイン・ホテルに入る。空港から送迎バスが出るホテルである。Hさん夫妻の喜びようといったら、一晩あの二段ベッドの薄汚い小部屋で夜通し泣きすごすことを思えば、身にしみる有難さであろう。拙子はおそれをなしてダメ室には入らなかったが、やはりホっとしました。

翌朝は拙子が明日の宿泊をフロントの責任と掛け合い、押し問答の末ちと値段があがったがOKを得てヤッターと飛び跳ねる。これで荷物を預けてブリュッセルとブルージュへ身軽に四泊の旅行ができるのだ。

さて、四日後の夕方に戻った快適なデザインホテルで雨漏りの事故があり、全客がフロントやバー食堂に避難。エレベーターが故障したまま、新しい客には客室のキーを出せない事態になった。いつになったら部屋に入れるやら、このときホテル従業員総出で取り込み騒動のなか、件のフロント責任者のお姉さんが助け舟を出してくれ、8階までですぞ、スーツケースを自ら担ぎ上げ、屈強な黒人ボーイが重い方のスーツケース担いでふたりで階段を上がったのです。われわれ手提げかばんとリュックの3人はへとへとに遅れて上る情けなさ。でもこの事があってか、フロント責任女史は拙子の名前を覚えたようで、チェックアウトの時にも、もたもたするフロント壌を叱咤して、なにかとMr Adachiに気配りを見せてくれました。






Pnorama Box制作委員会


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