安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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メルケル首相にもの申す
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( 2015年 3月 10日 火曜日


●空気が読めないメラケル
この人は首相になった時から空気が読めない。というのも共産圏東ドイツ育ちですから、ものの見方が旧く画一的で多様性がない。それでEUの協議ではいつも孤立する。量的緩和ダメ、ロシアと中国には肩を持ち、米の国際政策を毛嫌いするくせに国際力を高める為にはイラク派遣に積極的に応じた。

だが、何といってもEUで一番の大国であり、経済力がある。ひとえにドイツに自動車産業、ハイテク製品の技術力があるからで、EUを牽引する経済大国ですからどの国もないがしろに出来ないでいる。

とはいえ、ギリシャ再融資にみるように、ドイツだけが反対もならずEU大勢に沿った線に妥協しているものの、この人の本性は社会主義者である。したがって現今の国際問題に人道が絡むと途端に安易な通説に立脚し、対する反論に聞く耳を持たない。70年前から一貫して日本は謝罪せず和解の努力を怠ったと信じているので、厄介です。中国は江沢民から、韓国は引き際の大統領が反日を示しておくのが慣例だったが、エスカレートして今やニッチもサッチも行かなくなった政治的経緯を、メラケルは世界の定説として認めない。国際世論を変えるのは言葉では絶望的である。

●ドイツの謝罪は
そこでと平気で日本に来て話すのである。欧米人は概ねオバマ、クリントンから、このメラケル、オランド、をはじめ、ベルギー、オランダ、北欧までSex SlaveやNanjing massacre 30000が定説になっていて、メラケルはごく最近、パク・クネと会談し、日本が謝罪しないとの言い草を丸のみにして日本にやってきた。

ドイツはプロイセンの時代から軍備が関心事、第一次大戦に負けた結果「ヴェルサイユ条約」で軍備を制限された。そのことの反動で右翼政党が台頭し「国民社会主義労働党」つまりナチが生まれたのである。ナチ政党に国民大多数が賛同したのであり、ヒットラー内閣が成立すると、国民はヤンヤの喝采でむかえたではないか。

●ドイツ市民の見方
でありながら、ドイツが謝罪したのはユダヤ人迫害とホロコーストに関してであり、罪をナチに押し付けて、ドイツ人国民はシレッとしている。ブラント首相がアウシュビッツに跪いて謝罪したというが、そのときの国民はナチの蛮行が悪かったというだけで、過去対して贖罪なんぞ抱いていない。

当地ノルウェーにくる観光客で最多がドイツである。占領され苦渋を舐めたこの国の80歳以上の高齢者の中には、占領時代のドイツ兵の横暴を苦々しく思っている人が少なくない。そういう老人に向かう時のドイツ人観光客は、高齢者なら「私は単なる兵隊でしたから、兵隊は国の為に働くものです」と挨拶にそつなく無罪を告げ、若い人は「ぼくらは何も知らない、関係ない」と開き直る。
ドイツ国民は過去にちっとも痛みを感じていないし、それを責める政府は欧州にないのである。メラケルの言うように『国際社会は和解の手をドイツに差し伸べてくれた』。そう、ドイツは幸運でした。

●ドイツの軍事力
ドイツはNATOの一員、アフガニスタンへは米に要請されてNATO軍に加わり米英に次ぐ2500人を派兵している。日本自衛隊はヒゲの隊長率いる平和工兵隊がやっと、護衛はフランス兵にお金を払って頼んでいた。しかもドイツは近年急激に武器輸出大国にのしあげ、戦車はもちろん、ハイテク対空砲やミサイル発射装置を中東諸国に売っている。中韓はこのドイツの武器輸出に目をつぶって、ささやかな日本の防衛用軽銃器輸出に目を釣り上げるのはおかしい。

●植民地支配の歴史と謝罪の妙
遅れて来た海洋国家としてのドイツは、植民地を中国やアフリカに少し築いたが、他の列強より少なく、付随しておこる原知人虐待が少なかった。アメリカは国自体が英国の植民地であった。その経験から他国に過去と向き合い和解が必要と言えるが、英仏は過去の地支配に謝罪したことがなく、中韓に同調しても日本に向かって謝罪せよと要求できる立場にない。

でもまあ、世界の市民は人の振り見てはんだんする。ドイツ市民の間では中韓への好感度が低く日本がズバ抜けて高い。本日はこれをもって良しとしよう。
(了)






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