安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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戦地ジャーナリズム
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( 2015年 1月 23日 金曜日


●フリーと通信社派遣
War zone FreelancerとかFrontline Reporter と地ばれる戦地報道者がいる。一方はフリーランサー、今回イスラム国で身代金か処刑かと恫喝されている後藤さんがその例。また戦地で人道目的に携わっている人、医師等も含まれ組織派遣もあればフリーの支援者もあり、湯川さんはこのうちにはいる。どちらもイスラム国は区別せずに金ヅル、飛んで火に入る戦場の金ムシである。国境なき医師団のような経験ある国際組織はイスラム国に医師を派遣していない。

而して絶対に捕まらないジャーナリストやカメラマンがいる。彼らはBBCやCNNといった報道最大手の後ろ盾があり、最善の準備と警備、多くは自軍の警護とともに取材する。個人で潜入する場合も連絡可能な地域に限っており、したがってテロリストに捕まらない。英米ジャーナリストでこれまで処刑映像が流れた犠牲者はことごとく組織のバックがないフリーランサーか、弱い組織の支援者である。

●身代金ビジネス
Ramsome businessとかBlood money と呼ばれるイスラム過激派のやりかたは彼らの重要な資金源であり、イラクでは過激派よりも犯罪の一環でいまも蔓延している。イスラム国はこれまで20億ドル以上を稼いだとされ、石油密売につぐ資金源になっている。イスラム国の要求に断固として応じないのは英米に限っていて、フランスではこっそり非政府関係者が身代金を画策するが失敗して処刑された仏人がいた。イタリアは必ず払う。日本も払う。殺されるのは交渉がまとまらなかった場合で、この交渉には必ずイスラム国側から代理人をたてて政府に接触するはずである。それまでは数か月拉致された者の命運は大丈夫とみてよい。

以上がこれまでイスラム国での例である。さて邦人二人の釈放の可能性については、類推を慎むもたとえ交渉が中断し殺害されたとしても処刑映像は出ないと言える。イスラム国が流した邦人二人といつものナイフを持った英国生まれの男の映像については指摘されているように合成ヴィデオであり、覆面の男は目を殆ど閉じて人相を隠していた。

さて卑劣なやり方には一切妥協しない米を頼る事ができないどころか、身代金を払わないように説教されるだけ。危険地帯に単独で潜入するのは自己責任というわけ。

●命知らずの無頼者
それがしは、危険を承知で内情をスクープしたい人間はジャーナリストによくある性向であり、博打に賭ける無頼者の現代版と思っている。小心者には眩しいヒーロー志願者として決して悪い意味で難じるのではない。だがやはり命を賭した以上、自国政府の重荷になるべきではなく、また政府が混乱して走り回る愚は止めるべき。況やこのことで政府がテロ集団とチャンネルがないなど批判するのはもってのほかであろう。(了)






Pnorama Box制作委員会


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