安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ルーブル危うし
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( 2014年 12月 17日 水曜日


●政策金利、驚異の17%
原油安の恐ろしさをまざまざと実感した今日の16日でした。まったく日本は幸運、資源を持たない国が幸いに転じる事もあるのですね。油だけでなく鉱物資源も、自然資源に恵まれた国が報崩れなんて事態は、この歳で初めて知った。もっと長生きしていろいろ見てやろう。

ロシア・ルーブルを中心に思うままに書いてみる。原油が60ドル台になって政策金利を1%上げて10%にした時はハハーンで済んだが、此所から一挙に17%と言う数字にゲゲゲの鬼太郎ですわ。ロシア中銀は女性総裁、こんな芸当は女性でなくちゃできません。でもどうやってロシアの誇りをかなぐり捨て、プーチン説き伏せたのか、それがしはプーチン攻略の参考に裏話が知りたい。

さて、日銀黒田氏の政策金利はあとがない0.1%なのでございます。アメリカは0.25%で大変予ドル高を維持してきました。いままでは・・そうやって円安基調を構築したのでありますが、今夏の原油安により資源国が総崩れですから(アメリカはまだ原油輸入国なのです)安全と思われている円買いドル売りに逆転。なぜ投機筋から円が安全とおもわれているのか、ちゃんとした説明はあるが、ようわからん。

原油価格が7月から半値、これでは石油輸出で国家経済を回転させてきたロシアが凄まじい打撃を受けるのはよーくわかる。加えて欧米と日本、豪州などが制裁を手厳しくした効果がてきめん。いうなれば深手を負って杖つく巨人の杖が、制裁の手に払われて、ガックリ膝ついた恰好か。傷を負ったクマが突如反転、向かってくる事がある。プーチンはいま何をかんがえているのやら。

●経済政策はことばによるいじめ
前から何度か書いた事だが、ウクライナ問題でロシアに居丈高な経済制裁はロシアを頑にし憎悪を生む。暴力によるいじめを武力介入とするなら、経済制裁は言葉によるいじめである。

素人目にも17%という金利で、そりゃ一ッ時はル―ブル売りが控えられても、もう信用は失墜した。ここが最後のチャンスとばかりロシアの金持ちはルーブルを$に替え、ロシアのナントカ銀行が市中への貸出をストップした。取り付け騒ぎが起こることも考えて、早う貯金だしに来る人。この風景は一度見た。それは1988m年のこと、国債デフォルトに、銀行の預金封鎖によって庶民は小額の貯金すら出せず、泣き寝入りでしたね。

●崩れたプーチンの土台
プーチンはロシアが有する無尽ともいえる原油とガスの高騰に乗ってこれを国家経済に置き、そのときにホドロコフスキーたちオルガルキーを逮捕あるいはシベリア送りにして自由に石油ガス輸出を牛耳りロシア経済と国家基盤を盤石にした。その土台がいまくずれたのである。1ドル=70ルーブルを割り込み、ロシア株は10%下落。ロシア企業の資産目減りは著しく、気の毒ですな。
しかし、いまはドイツ社債に逃避買いしている金融界だが、経済は一国にあらず、地球を覆う。まずロシア経済に頼る周辺諸国、バルト3国、ロシアへの輸出が多い欧州に漸次影響する、はずだ。

●武士の情け
原油安でメリットの方が多い日本は、おつきあいの経済制裁はそのままにして、何らかの形でロシア経済支援に繋がる取引をれないものか。武士の情けといえばプーチンに失礼であろうが、困った時はお互い様です。棚からぼたもちで知らんぷりするのは下品である。(了)






Pnorama Box制作委員会


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