安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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パキスタン、学校襲撃の起因
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( 2014年 12月 17日 水曜日


年末にはワイワイ忘年会、神妙にクリスマスと威儀を正してコタツでお屠蘇など静かにすごしたいとおもいませんか。

それなのにパキスタンでは武装タリバンが学校で銃を乱射、131人の小中学生を殺害し、100人に重軽傷を負わせた。なんてこった。
これはパキスタン警察とペシャワールの武装イスラム過激派との戦いであって、イラクやシリアのISISと連動 しているのではない。勘違いせぬよう、あくまでパキスタン国内の出来事である。

●ワリジスタン地区のペシャワール
アフガニスタンと北西部で国境を接する一帯・ワリジスタンはもと政府が入れない独立自治区のようなものだった。旧習を維持し、文明の入らないイスラム律法の強い人々が新風を嫌って治めていた山岳部である。アフガン戦争ではここがアルカイダやタリバンの隠れ里、揺籃の地になったため、米はパキスタン政府を突きに突いて、ヴァリジスタンのタリバン掃討をやらせ、ビン・ラーデンを見つけ出し、ドローン爆撃を激しくした。

犠牲になったのはアルカイダよりワリジスタンの普通のイスラム住民である。だからペシャワールでも全住民が親タリバン/アルカイダであるため、過激武装派が容易に動き回れて、彼らの誘いに応じる若者はいくらでも居る。この辺の事情はペシャワール会の中村医師の与り知らぬところであって、口にはされないのだが。

●転属配置された軍警と地元の軋轢
ペシャワールの警察はおもに印パ紛争地に張り付いていた軍人だが、5年前に沈静化したのでペシャワールほかワリジスタンの各地に転属してきた、いわば余所者で軍属とその家族、その子等の通う学校側と地元パシュトゥン人とは解け合わない。送り込まれた地上部隊はこの地に根を張るTTP(パキスタン・タリバン運動)撲滅のため、タリバンと思われる村や建物、はては彼らの学校も破壊してきたため、いつか大きなリベンジがある。そんな状況であった。ここに学校襲撃の起因がある。

こういった土地柄と住民感情を抜きにして、ナワズ・シャリフ首相がタリバンを全滅させると息巻いてもね、どうでしょうか。地元の民衆の心を得る施策、社会インフラの整備や病院、軍人子息の学校じゃなく地元民の学校、職業教育などが先決問題であろう。

相手は学校へ親ときていた2歳児まで撃ち殺す畜生にも劣る集団だ。どうすればいいの、マララさんの言うように一層強い意志を固め闘い続ける。ということでしょうか。学校襲撃が日常茶飯になっているこの地方で、総ての学校に充分な警備員を配置ねがいたい。

数年前にこんな話があった。爆発物を腰にまいて教室に侵入して自爆テロの男に向かって、児童の一人が身を挺して飛びかかり爆死、
教室の学友全員を救ったという。なんという犠牲。非道にして悲しい事件は今年限りにしてほしい。(了)

追記
ジェブ・ブッシュが96年大統領選に出馬する。兄さんブッシュが「ジェブは良い大統領になるだろう」とスモークを上げていましたが、ジェブ決断。それがしこの元フロリダの知事については何も知らない。だからつまり、共和党指名でも難しくクリントンにはサラサラ勝ち目ないと思う。






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