↓解散総選挙をリードする社民党ステファン・ロヴェーン首相
昨日のつづきです。解散総選挙発言の翌日、はや巷の市民インタビューや、各紙の調査によると10人中7人首相支持、与党連合が過半数になることを望んでいる。政府を投げうち総選挙で信任を問う、それ以外にローヴェンに道はないという良識ある理解を示して、それがし、成熟社会の醒めた政治意識を再認識。いわゆるスウェーデンモデルにみる政治状況ではないが、その精神は生きていると思った。
それに、野党は乱立気味で、長期8年首相を勤めた穏健党のラインハルトは過去の人になった。現党首の女性はイマイチで、他の野党4党は覇気がありません。極右のスウェーデン民主党の評判は「あんな少数党が国会をかき回すのは許し難い」という世論。当地ノルウェーでも3人という極左が、党首論争にTVの常連であり、メディアは好んで少数意見を実寸より大きくカバーするので腹立たしい。
実際、やっと国会に参加できる票を得た少数政党がが、国勢を左右するマネは、行き過ぎた民主主義思考である。だいたい北欧各国の年度予算は与野党で似通った配分で、政権が代ってもたいした違いはないのである。
●戦国武将に譬えるなら
スウェーデンの党首を戦国野武士にたとえるなら、ローヴェンは太刀を佩く怪力知将、与野党党首6人はみんな小者でドングリの背比べである。与野党どちらにも属さないスウェーデン民主党党首オーケンソンは移民ストップをうりものにする曲者、小刀を振り回す12人の部下を持つ。(了)