まず新ペンタゴン長官にオバマが選んだアッシュ・カーター
●万年副長官
国防長官ポストを追われたチャック・ヘーゲルの後任に副長官だったAshton Carterを月曜日、オバマが指名した。A. カーター(60)はその前のパネッタのもとでも副長官のひとりで、もっと前のビル・クリントン時代にも国防副長官やっていた。理論物理と歴史の二刀流、MITの先生、ハーバードケネディスクールの教授やらいろいろデキルる人のよう。
にしてもなぜオバマと意見が合わずに辞任した/させられた二人の副官であったA. カーターをオバマが選んだのか。この人なら共和党は反対しないけれど、オバマの思惑はあと1年半だからまあいいや、ですかな。
●ノルウェー北海石油に打撃
昨日予告したコラムです。Non-OPECの中で主な産油国はロシア、米、中、メキシコ、カナダ、ノルウェイ、ブラジルの8カ国。だぶつき気味の原油にこの10年減産・抑止したきた国はノルウェー、米、カナダとメキシコで、その他の国は増産に励んでいた。OPECだけで世界原油生産の約60%にのぼる。10年以上も長期に減産してきたノルウェーが原油暴落のあおりで経済的打撃を被るのは理不尽といえ、現実は厳しい。
●ベルゲンの波及ファクト
【ホテル、タクシー】
北海石油の基地都市ではス南西岸のスタヴァンゲルが代表的だが、いまや北極圏深いバレンツ海まで点々と石油の町があり、ベルゲンは二番目に重要な石油既知である。空港の近くに石油業界のビルが集中し、国際石油ビジネスマンの利用するホテルがある。そのホテルが原油価格下落とともにガラガラになりました。はっきりしたもので、市内のホテルなんかも冬の観光客くらいで寂しいものです。ビジネスマンが減ってタクシーもあがったり、しわ寄せは高級レストランにも、作業服の製造会社まで。
【エンジニア失業】
ベルゲン市のあるはホルダランド県Hordalandの失業率は昨年11月2.2%、欧州のどこにもない極端に低い失業率だったのですが、今年11月は11%に急上昇、石油関連業界エンジニアの失職がめだつ。オフショーリグで働く人間はどんどん少なくなり、新しいのは遠隔操作による通常は無人のリグがあるほど、なのですが、石油関連企業は裾野が広くエンジニアや情報工学専門職にしわ寄せがきている。
【新プロジェクト棚上げ】
原油安で直に影響するのが、投資見送りとオフショー新プロジェクトの建設中止である。バレンツ海やノルウェー海など寒冷地のリグは費用が嵩む。いまブレント原油70ドルをこえたけれど、80以上でないとペイしない。オフショー新油田の開発や、リグ建設が止まれば、当地石油業界は氷河期になりますかな。
ノルウェー株はあのOPEC会議返上維持決定の日、23%という驚異的な下落をみた。通貨は年初から10%下落。いまかなり盛り返したが、それまで1バレル115ドルでウハウハでしたから、しばらく頭を冷やすのもよかろうと、それがし内心そう思う。石油が出ないスウーデン(いま政治ピンチですが)を見よ。難民をいっぱい引き受けてちゃんとやっいるではないか。