●ブラックフライデー商戦
ブラックフライデー・セールスとかブラックフライデー・ショッピングと呼ばれる小売店のキャンペーンはもともとアメリカ初の商戦だが、欧州では英国以外、あまり見かけなかった。それがしは年末商戦やクリスマスセールスにはとんと興味がないので見過ごしたかも知れないが、今年、当地ベルゲンでも華々しくやっているのがわかった。購読している日経紙の広告にもあったところをみると、日本でも抜け目なく「1日限りの割引セール」として浸透してきたようだ。
わが郵便受けには、広告チラシやパンフをお断りしていても、新聞の折り込み広告として新聞受けに入る分には断るすべがない。それで判ったのだが、先の金曜日はこのブラックフライデー/セールスが花盛りでした。ネット販売のも「金曜日一日だけ」と、アマゾンもアッップルも宣伝に余念がない。
●米では銃販売が大幅にアップ
米では大型専門店の開店と同時にドっと客が走り込み、目当ての商品にダッシュする映像が、なかには端っこで将棋倒しになる一群も観ました。全国的に確実に大入りだったのが銃砲ショップ、ハンドガンが売れ筋で、金曜後の警察は銃器保持申請書類144,000件を審査するとか。ファーガソン市で起きた黒人少年射殺に、白人側も黒人側も自己防衛に余念がない。まさにブラックフライデーである。
●不吉でもないのに何故ブラック?
11月第4週の木曜日が感謝祭でその翌日がこのブラックマンデーなのだが、どうしてこの日がブラックなのか、小売店も客も喜ぶのになぜ葬式のようにブラックなのか。宗教的祭日でもないのになぜブラックフライデーというのか。だれも詮索しませんわな。アメリカ発の週間ですから歴史は浅いとわかるが、それがしチト詮索してみた。
感謝祭からキリスト降誕日(クリスマス)まで畏まった日はないわけで、感謝祭がおわると町へ日常品ではないようなもの、前から欲しかった冬ものや、自分や家族友人へのプレゼントを買い求める人で賑わった。それでこの日はバスや、タクシーが混雑、交通事故が多い日になった事と、混雑する群集整理や暴力事件に警察も多忙を極める日であるところから、公共側がブラックマンデーと呼び出した。言い出しっぺはフィラデルフィア警察で1966年のこと。
という呼称由来の説明があったが、ナーンダ、50年に満たない。それがし大阪で勤め人の頃だ。一般的にはこの日からクリスマスセールが始まり、売らんかなは風潮を揶揄するブラック・ジョークのようなもの。株が暴落したブラックマンデー(1987.10.19)や大恐慌派生のブラック木曜日(1929.10. 24)に比べれば、国内消費が増えて明るい金曜日であった。(了)