安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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落ちこぼれとイスラム国
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( 2014年 10月 24日 金曜日


●オタワ国会議事堂にアタック
オバマの米でなく、カナダでイスラム跳ね上がりがテロに走った。衝撃というほどのこともないが、不意をつかれました。数日前にケベックでカナダ兵士二人が車ではねた男がいましたね。この男はパトカーとカーチェイスの末射殺されている。

今回もまず戦没社慰霊碑の軽微に立っていた老兵が射殺、車を奪って議事堂へ走り込み、議事堂警備員と追跡して来た警官と打ち合いになった。その様子は何度もTV放映されたとおり。しかしこの犯人がウインチェスターと拳銃を持っていた。カナダは米と違って銃砲規制が厳しく猟銃免許はあるがふつうの市民は所持できない。テロリストと警察の銃撃事件はカナダでは初めて。しかし「跳ね上がり者」の反抗で、米空爆に対する報復、という図式でははない。ISIS計画による報復が起これば……議事堂巡査部長が議場室前で犯人を射殺して終りにするようなわけにはいかないだろう。恐ろしい世の中になりました。

で、反米、反西欧を共通精神とするイスラム国ISISに参加したいとおもう人間は世界中にいるわけで、ジハード・いすらむ人と、過去のアフリカ戦線における外人部隊のように、根っからの戦争好きや逃亡犯罪者が主軸だった。そこへ欧州のイスラム二世、彼らは失業率が高く虐げられているとおもっているから、イスラム国に参加する。イスラム国はアルカイダよりケタ違いに資金潤沢で、女にも金にも困らないと勧誘し、それを伝え聞いている先進国の落ちこぼれが飛びつくのである。新品のトラック、戦車、戦闘機まで持っているのだから史上初めて現われた「犯罪国家」である。

ISISに行きたがる少年は、悪い環境からグレた少年が暴力団に入るのと通有の人生軌跡にみえる。したがってどこの国でも、いつの時代でも、過激派候補生は尽きることがない。ただ日本人のような仏教徒はイスラムにかけ離れているため改宗して、ISISに参加しようとする青年は西欧よりはるかに少ないはずだ。

●資金源はオイルの密輸
イスラム国の資金源が、イラクとシリアの石油密輸である事は周知の事実、1日売り上げ100万$といわれる。産油地帯はISISの支配地域にあり、密輸先はイラク南部、トルコ、シリア、レバノンなど周辺国の民間に、敵味方関係なしで安く売りさばく。いくらでも売れる。ある程度はイラク政府支配地にもパイプを通して得ているため、米は資金源の油田地帯を爆撃するのはシンボル程度で、壊滅したくてもできない。彼らの資金源をどうして断てられようか。ジレンマというより米地上軍を送らないのだか、らジリヒンですね。(了)






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