安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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プーチンのASEAM
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( 2014年 10月 18日 土曜日


●アジア欧州会議 ASEAMに来たプーチン
ミラノで開かれた欧州連合(EU)の最大焦点はウクライナ危機である。あとはおまけ、安倍―プーチンが10分会ったというのもオマケのひとつ、おなじオマケでもプーチンとメラケルが立ち話した件が国際記事になります。しかしプーチンは四面楚歌、この国難に立ち至ったのは誰のせいか。ロクに意思疎通の努力もしないで経済制裁にヒタ走ったオバマに怒り心頭、右に倣えの欧州勢にも落胆した。プーチンはASREAMで、それほどウクライナが可愛いなら、EUはガス代を資金援助せよと言いましたなそれがしは。そうだよなと思う。

●ウクイナへガス供給を再開
このプーチン談話は、金曜日朝から数回開かれたポロシェンコとの会談のあとで、記者団に答えたものだが会談にはオランドとメラケルが参加していた。実際に会談でも協議されただろう。ロシアからウクライナへのガス供給は7月から栓を閉められストップしている。これはロシアを敵視する新政権にプーチンが「じゃ、同盟国向け格安特別料金を廃止する。欧州各国への輸出並みの料金を払え」、「イヤならストップする」と恫喝。ポロシェンコは新料金を認めないというのでパイプラインを閉めていたわけです。

冬に向かういま、ガスがなければバタバタ凍死人が出る。ウクライナは何としてもガスが欲しい。で、プーチンはこの冬はとにかく供給しましょう、だけど未払分と今後の新代金はウクライナ政府が支払いできるようにEU_NATO諸国が援助すべきと言い添えた。もっともなことだと思う。やたら経済制裁で国家の首を締めるような酷い仕打ちはよくありません。日本がかつて開戦したのはやはり石油禁輸という経済制裁が最大の原因でありました。

来週ブリュッセルでE U首脳、ロシア、ウクライナの3者がガス供給問題、つまり代金の支払い方を詰めることになっている。ま、とりあえずウクライナ国民は冬を越せることになったが、長期の協定にはほど遠い。休戦協定が守られないうちは何事も進まない、自明の理だ。

●『ウクライナ東部2州はウクライナの一部』
今回ひとつはっきりしたことがある。プーチんはもともと、クリミアはロシア領だが、東部ドネツクを併合するつもりはない、ただし親露東部市民を支援(人道的という理屈)するのはロシアの義務、と明言していた。今回の朝食会協議中、「東部(ドネツク、ルガンスク2州)はウクライナの一部だ」と、喋ったらしい。このことは同席したEU大統領のファロンバイが明かした。一部ということはウクライナ領であるが、自治を認めよと言う意味がある。

●ロシアと中国、ロシアと日本
ロシアの友好国は元連邦ないにあった、カザフやウズベキ、ベラルーシなどを除くと中国、日本ともにビクビクの付き合いである。経済は別だから、中国との大型契約は凄まじく、李克強と笑顔で会ったが、習はオバマに気兼ねしてウクライナ問題でプーチンに冷ややかな対応、安倍も西制と同調、形だけだが制裁に加わっている。プーチの示した李克強利と安倍への握手は欧米へのパーフオーマンス、内心は「友達がいのないやつら」と苦々しく思っていただろう。ところで中国は高速鉄道の敷設から車両まで一兆円を越すプロジェクトに合意した。手始めは長さ770キロだが、ゆくゆく北京−モスクワを結ぶ計画、最高時速400キロ。ちと危ないのでは、事故起こりそうですね。技術は日本の新幹線とドイツのICEを盗んだもの。ドイツとロシアはまだしも良好な関係、ドイツの技術者たちは歯ぎしりでしょうな。ほかにもロシアで遅れているスマホ関連を、中国の小米(シャオミ)が一括合意した。だがしかし、ウクライナ問題が解決すれば、プーチンがこれら合意を正式契約するかどうか疑わしい。(了)






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