安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ドル売り円買い
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( 2014年 10月 16日 木曜日


●米景気不安で円高に
欧州の経済低迷が長い。EU諸国は政策金利をゼロ近くまで引き下げてもよくならない。スペイン、イタリアはデフォルトぎりぎり、欧州全体にデフレ傾向に入った。良好だった米の景気も欧州に引っ張られて下がるだろうと言われていたが、IMFが先日世界経済の見通しを下方修正、米景気の減速は避けられないと発表した。ま、そうでしょう。IMF の発表を待たずとも米経済の好調が長続きしないだろうとは思っていたが、先日出た米雇用統計は5.6% でしたか、格段によくなっている。それでオバマへの経済無政策の批判は見られなくなったが、一般市民の家計・懐ぐあいは実際のところ悪くなっているという。

そういえば、わが国の経済が長年のデフレを脱却し、円安でウハウハの輸出大企業や、海岸資産が息を吹き返したお陰で給料も上ガリ出し、中小企業もそろそろという折りちゃっかり公務員給料が後へ続いて腹立たしいのだが、一般市民の家計・懐ぐあいは良くなったという感じがしないという。世界中で貧富の格差が拡大するのは社会システムにあり、景気と関係ないことがはっきりした。

とはいえ、米経済の先行きをアブナイとみて対ドル105円台まで円高に振れました。このまま推移すれば輸入食肉、野菜の市場価格がひとまず安定、家計に「僥倖」である。

●石油だぶつき原油加下落
産油国、特にアラブの産油国は油田が私物みたいなものですから、欲ボケした特権階級は産油高の合意を守らない。多めに合意した以上になんやかや特例でもって増産し、需要のある間はいいが、いまや世界景気低迷で原油価格が7月から20%下落、大げさに言えば暴落ですな。この石油安傾向は今後長年続くだろう。結構なことではありませんか。これは電力のみならず、プラスチックや合成繊維の価格上昇を止める。わが国には「僥倖」である。電力会社はニンマリ、消費者は電力値上げに注意しよう。

●サハリンのガスを売り込むプーチン
プーチンが欧米の経済制裁に対抗して中国への石油ガ輸出にビッグ商談をまとめたが、サハリンのガスを日本に売り込んでいる。安倍首相はどう応答するか、プーチンに臍曲げられては困るし……逡巡、決めかねているところでしょうか。宗谷海峡にパイプを通すぐらい、海流が強くともクリアできる。欧州への価格並みなら問題ないが、ペイする価格設定になるのか要注意。ロシアは平気で約束を破る新法規を作りますからね。(了)






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