安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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香港 傘革命の行方
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( 2014年 10月 4日 土曜日


●温泉地を後に
香港トップである行政長官野選挙に北京の承認した候補者以外はダメ、と中国政府の言明があって「じゃ、民主選挙ではない」と抗議がおこったのが香港デモのキッカケ。はじめは高校生の授業ボイコットでした。記憶に自信が持てないのですが、中国愛国教育に反発したであるのではなかったか。学生が街路に集まり出し、一週間が過ぎました。とても平和的なデモですから施政者側としては我慢して待てばデモはジリ貧、自然消滅するだろうと考えたでしょう。それがしもそう考えていた。ここにきて強制排除もあり得るようになったので、以下整理してみる。

民主選挙の要求が通らないとおもう理由を思いつくまま列挙すると:

●【強い指導者がなく、明確な作戦がない】
学生組織・組合は分派しており、全学連にあたる最大グループ(リーダーはAlex ChouとLester Shum)ですらメガフォン・マイクを持っているのはわずか、アジ演説もない。Occupy Central 市街中心占拠を学生たちに吹き込んだ戴耀廷Benny Tai香港大准教授が、万人単位のデモになってから指導者顔で現われたが、カリスマ性にかける。

作戦としてスクラム行進やジグザグデモがない。オキュパイ即ち「座り込みだけなのだ。警備の機動隊を刺激しないので」闘争」という雰囲気ではない。そのうちにニューヨークのWS占拠とおなじで、市民からみはなされてしまうだろう。

●【役者が一枚上の梁振英(りょう・しんえい)行政長官】

この人は中国政府の傀儡だが、これまで開かれた香港行政で香港の金融・ビジネス界と商店主等一般市民に人気は悪くない。2017年の次期長官選挙方法は北京が決めるので、梁さんに辞めろと要求するデモ学生がバカだ。長官は学生代表たちとの「会話」を副長官と行うことを提案した。しかし学生側が結局断って、事態はいま流動的である。おもうに、ここはハッキリ中国政府批判のデモでにすれば、インパクトは百倍。習近平は最大の試練になっただろうに。

警備隊の不用意な催涙弾発砲があってから、傘は日中座り込みの日よけから催涙弾やゴム弾避けに皆が持ち出し「傘革命」Umbrella Revolutionと呼ばれる。一週間も過ぎると、経済適影響が大きく、繁華街の商店は干上がった。昨日は親香港政府側100名あまりが五星紅旗を翻してデモ隊に突っかかり、警備隊は右往左往、結局学生デモ側を護って退避させている。反政府デモに対する親政府グループはというのは、カイロでもキエフでもそうだったが、手に手に武器や喧嘩道具を持ったゴロツキが混じっている。香港では警備隊が中に入って大事に至らなかったが小競り合いは避けられなかった。

●香港市民の自由は期限付き
大半が、親政府ではないが決して反政府ではない。このあたりが学生に市民が加わってドゴールを倒し、またヤヌコヴィッチを倒した過去の例と全く異なる。一国二政体といっても力の差は歴然であって、返還後30年に約束通り北京政体に併呑される諦念が先に立つ。香港だけに民主主義選挙を要求して、北京が許すと学生たちが考えるなら情けない。間違えるな、相手は北京の中国共産党本部である。彼の地の報道規制がいくら強くてもだ。それがしは近い将来、彼の国の経済停滞から共産党の瓦解かまたは市民蜂起があると、おもっている。どさくさに香港は独立するだろうと。(了)






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