●イギリスにアラーム
29日、イギリスが国際テロ警戒レベルを3段目のSubstantialから2段目のSevere シヴィアに格上げした。言わずと知れたISイスラム国のテロ情報を掴んだからだが、漠然として標的となる場所が特定できないのがまだるっこい。
先きにオスロで大掛かりな警戒態勢が取られ、パスポート審査をやったものだから、普通パスポートなしでデンマークへ行く人たちが帰国審査で身元がわかるまで待ち止めされ、当局はすぐ審査をストップしたが、外国人には厳しかった。結局一週間で首都厳戒体制が解かれ、件のテロリストはイタリアに入国したあとの消息がつかめず、尻切れとんぼのまま終止した。しかし、この厳戒態勢を取らなければIS兵士が入国して爆破テロが起こっていたかもしれず、警戒するに越したことは無い。
いまイギリスがその警戒レベルである。一番目は実際にテロが起きた時だからこのシヴィア・レベルが警戒Alertの最上位とみてよい。イギリスからは、主にロンドンのイスラム系若者だが、すでに600人が出国してISに参加しているという。で、事前の策として、可能性のあるイスラム過激の者は警察が掴んでいるので彼らのパスポートを出国できないよう取り上げることが、再び野党と評議中である。再びと言うのは昨年もやったが完全に実施されていない。人権問題であり、EU憲法では許されない懸念からだった。だが今回はかなりスクリーニングするのではないかとおもう。
●帰ってくるISたち
いずれこの問題に対処しなければならない。ノルウェーの場合、ISに加わった60人のうち20人が帰っている。どうも余りの残酷さに逃げ帰った者らしく、戻ってテロ組織強化のために働いているものは僅からしい。しかし今後、シリア。イラクから筋金入りのテロリストが戻ってくるとおもうと空恐ろしい。このあたり、IS 外国人メンバーを最も多く、1000人を出しているアメリカに明確な対策はなく、オバマ思案中なり。オバマはISが跋扈するイラクにしろ、おそらくシリアでもドローン攻撃でISを叩くのが関の山でしょう。来るべき脅威については現実になる。(了)