安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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プーチン米欧に報復措置
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( 2014年 8月 8日 金曜日


●経済制裁という卑劣な生殺し
オバマは紛争があれば米の非同盟国に経済制裁で対応する。ウクライナ問題ではロシアに経済制裁をEUに同調させて追加制裁に踏み切った。悪者どもに鉄拳をくわえるかわりに、村八分にして家計をこまらせる。経済制裁はても意地の悪い「生殺し」措置である。

現在のロシアはデフォルトしたアルゼンチンよりましだが、海外資本は先細り、すでにロシア経済は行き詰まっている。おもうに経済制裁の効果で相手が折れて紛争が解決した事例はあるのだろうか、疑問だ。アサドのシリア、イランへの制裁では国民の対決姿勢を強めるばかり。効果がないのは北朝鮮、カダフィの譲歩で成功したかに見えたリビアは、いまや反米に転じて米大使館が引き上げた。キューバにはいまだに制裁中だが何の為か。ヴェネズエラ屁の背経済制裁は完全に役立たず。アフリカのダイヤ産出国への経済制裁は殆ど逆効果である。経済制裁一本調子のオバマは同盟イラクではISISの攻勢をどうしていいか解らず、無能ぶりを曝け出した。

さてロシアの行き詰まった国内経済は、日本の戦前事情に似ている。太平洋戦争を始めた最大の原因は米の経済制裁、石油輸入を阻んだ滞日包囲網にあった。ロシアはウクライナ国境に2万の塀が軍事訓練に終結しているからといって、短絡にロシアが軍事力を使ってウクライナに介入すると言うのは妄想で、プーチンはドネツクの親露反政府軍を支援ない。何度プーチンがそう言っても経済制裁をやりすぎたかと懸念するEU は妄想をたくましくする。

●プーチンの報復はノルウェーを直撃
発表はメドヴェージェフだが、プーチンの決定である。米、EU、オーストラリア、カナダ、ノルウェーを対照に牛肉、豚肉、乳製品、野菜、果物など。
特にノルウェーへはサーモンやサバ、タラが禁輸になるため打撃は大きい。ロシア市場へは漁獲の10%、そのうち養殖サーモンが8割で年間日本円で60億を輸出していたから影響は大きい。ノルウェーはEUではないが、当地の外相はオバマの鸚鵡みたいな口吻でロシアを批判、キエフにベッタリで対ロ制裁に参加している。
欧州への石油ガスを止めなかったのは、ドイツ・メルケルへの配慮もあるが自国経済を破滅させないためだろう。日本が免れたのは大きな制裁に加わっていないからで、制裁はシンボリック程度において意思表示に留めるのがよい。生殺しのような卑劣な経済制裁は、文明国のやり方ではない。(了)






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