● チョコレート・キング
25日のウクライナ大 領選挙東部2州の異常事態は避けられなかったが、高い投票率で選挙が行われた。下馬評の高かったペトロ・ポロシェンコが過半数を制して当選した。元チョコレート製造業で財を成したウクライナ出身のオルガルキーである。外相、貿易省を歴任し、政党色がなく片腕をロシアに伸ばす安定感がクライナ国民にアピールした。単に親EUのためではない。また表向きでは反ロシア・親ウクライナを鮮明にする西側が本音で望む人物である。
プ−チンは、暴動で政府転をはかるグループを嫌い認めない。ウクライナ新政権はそのような暴動によって出来たので、新政権を認めなかったと同じように、東部の独立を求める親ロ暴動を認めていない。ただ、今回のウクライナ大統領選挙で、ロシアへ片手を突いた友好的ポロシェンコをプーが糾弾する理由はない。
●安定に向かう政権へ
2004年に起こったオレンジ革命いらい紛争の10年を経て、ようやく安定化への道が開いたようだ。 親EU・反ロシアのユーシェンコ、親ロシア・反EUのヤヌコヴィッチがともに暴動で倒れた轍を踏まない親EU ・ロシア協力のポロシェンコ政府ができた。尤も今後の行く方は、ポロシェンコ政府にあるわけだが、東部ドネツクとルガンスクの2州で抵抗する分離派をどう解決するか、紛争が長びくようならまたぞろ、首都キエフで反政府デモが起こるだろうが、悲観的な杞憂はしない方がよろしい。(了)