●ミャンマー
中国は世界中に資源を求めて、ゴリ押しが過ぎた。堪忍袋の尾が切れた……というのでしょう。
まず、ミャンマーですが、ここは中国の傀儡軍事政権、新首都移転と中国製の政府をつくって成功していたかと見えたが、やっぱり西側から徹底的に経済制裁にあったのと、息の長いスーチーさん応援が効いたようです。中国が手下のように扱うやり方に当の軍部が嫌気づいたとおもう。それでなければ民政移行は出来なかったはずだ。例の中国資本によるイラワジ河の大ダム建設を途中で中止、中国人技術者も中国人労働者も追い出した。あれにはアッケにとられたが、電力の大半を中国に送電するのだから尤もだ。で、そのゴリ押しを居丈高に引っ込めないのだから追い出すほかない。それからスーチーさん釈放、テイン・セイン大統領の西側各国訪問が相次ぎ、中国離れは阿部首相の訪問大歓迎まで加速した。中越の首脳会談は2年近くない。今考えると日本は経済制裁せず、スーチーさんを悪者にしてコソコソODA援助や商社さんたちビジネスにもぐり込んでいたのが実を結んだのです。その点偉大なヒューマニズムを掲げたイギリスは完全に出遅れましたな。
●ベトナム
ここも長らく中国の子分でした。ま、ベトナム戦争で米に勝てたのは中国の武器援助でしたから。しかし恩着せがましいのと米が出たあとのベトナムを好き勝手に玩んできましたから、ベトナム人の胸の内は反中が渦巻いていたとおもう。中国より労賃が安いからというので中国安物製造業者が押し寄せ、その数は日本や諸外国の比ではない。従来ベトナムではデモがなくて、忍耐強い民族だなと勘違いしてたおりました。政府は中国に気遣いして、デモを許さなかったのでした。そこを甘く見た中国がベトナムの経済水域内で石油採掘調査に護衛艦80隻を引き連れて開始したのである。
こう言う場合、200カイリ境界線にある中国の採掘に日本は注視とかいって何もしませんでした。それで尖閣に乗り出して来てやっと海保が船を出したのはいいが、体当たりされても映像をときの菅直人首相が公表させなかった。船長を釈放して、あちらでこの犯罪者を英雄にしてしまった。どういうオツムなのかこの人は。話はかわるが、秘密保護法があのときあったなら、該当しない故に広報せざるを得なかったはず。この法案のそれがしの見方。
ビデオをネットに流した保安官が退職に追い込まれた。でもあれだけ出た衝突映像も政府発表じゃないから世界的なインパクトにもならず、中国をますます居丈高になってしまった。
それから比べると、ベトナム政府は直ちに映像発表で抗議だから、立派ですな。ま、失う物がすくなくて、アメリカを追い出した見せない誇りがある国民だ。行き過ぎて中国人が16人だかデモで死んでしまったが。ここまでくればベトナムの中国離れは決定的といえる。
問題は中国の採掘試験だが、習さんは続行する。ベトナムには武力で止めさせる術がないですから。
●フィリピン
ここは明らかに弱小ベトナムに刺激された。岩礁間をコンクリ埋めにして滑走路を造っている映像を流してベトナムと共闘する構え。中国に言葉だけではダメ、と言う事実をベトナムが立証してくれた。中国はそのアジア政策、海外政策が失敗だと理解し始めたのではと期待する。なんでも西側の手回し影響だとか、非は相手にあるとばかり唯我独尊でやってきたことの「つけ」が顕在化してきました。
それはそうと、反日で焼き討ち、破壊された中国内の日本企業は賠償請求したのですか? あのときも中国は非は日本にあると言い張った。なのに今回ベトナムで破壊された中国企業に賠償せよ、非はベトナムにあると言い張る。そんな中国にべったり寄り添う韓国、変だな可笑しいな。(了)