安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ウクライナ今日は何処までいったやら
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( 2014年 2月 28日 金曜日


ユーシェンコのオレンジ無血革命から10年、今回は100人近い犠牲者をだして持続する市民デモ一ヵ月、ティモシェンコが釈放(政治的には終った人)、有能そうな新首相が決まり、愈々再出発の緒に至った。この先きどこへ行くかが大問題、ウクライナ通貨はガクッと落ちました。

●逃亡した大統領は死ぬまで大統領
ヘリで脱出したヤヌコヴィッチはモスクワ郊外の病院にいて、プーチンは友人ヴィクトルの亡命保護要請を受諾、28日にヤヌコヴィッチが強がり演説?記者会見をロストフナドヌで行う。ここはドナウ川の(ナ・ドヌ)河口の町、彼の地盤である東部に目と鼻の先きにある。新政権から大量虐殺で訴えられ逃げ出したけれど、最終協定を破ったのは野党、大統領以前はオレ様だと売ったるのでしょう。負け犬の遠吠え、バカは死ななきゃなおらない。

乗客を見捨てて救命ボートに乗り込んだ地中海客船の船長裁判がはじまったが、あの船長横柄だな。すると逃げられる時に居座った故に捕まって殺されたチャウチェスク、サッダム・フセインやカダフィは最後の土壇場で偉かった。いや空気が読めない野党なしの独裁者の業でしょうかね。しかもみな、捕らえられて『何をするか。わたしは大統領だ』、と宣うた。やはりバカは死ななきゃ・・である。

ヤヌコヴィッチが大統領府から雲隠れした時、当地のUKR大使ウは「経済が心配」と強調したが、経済の悪いのは10年前から変らず、それでまた市民デモになったのでしょ。それがしは大使の給料が滞る心配じゃないのかと。ヤヌコヴィッチがプーチンからEUを諦めるかわりに莫大な支援を得たとき、それがしは「これでデモもは沈静消滅する」と思った。しかし結局は、政府機関と大概向きに経済立て直しをはかっても失業率にはあまり影響が無い。やはり失業問題が大きかった。

スペインの失業率26%, 25歳以下は50%で、ウクライナはもっと悪い。スペインはEUを背後にしているという根拠のない安心感があるうえ、EU内での労働流動が自由である。やっぱりEUに加盟して西側諸国にヴィザなしで行きたい、仕事が欲しいと思う気持ちはわかる。実際出国には門戸狭く、当地のウクライナ人の多くは留学ヴィザを申請できる富裕層だろう。

先日当地に数年前に移民した大学生に聴いたのだが、ウクライナ語は隣のポーランド語に似ているそうで、なんとなく解るそうだ。大統領のウクライナ語はオカシイとも言いました。当地のTVがヤヌコヴィッチの育った東部の家に取材して生い立ちを放映した。おそろしく貧しい土地柄で、それでも近所のバアサンや、小学校の同級生だった厚着にスカーフのバアサン(本当は60歳以下かな)が心底「村の誇り、ウクライーニアの誉れ」とロシア語で話しておりました。純朴だか、世間知らずか頑固だか知りませんが、これぞ大地の民ですかね。それがし感動したぞ。

●頽廃のヤヌコヴィッチ
さて生い立ちですが、ロシア人の母が幼少時に亡くなり、父親はポーランド人だかリトアニア人のようなんですが再婚したママ母と折り合い悪く家出、おばあちゃんと二人暮らしでした。朽ち果てたその家は新しくても最貧のボロ家だ。
ならば、貧困の苦しみを身にしみて知っている。その男が苦学して大統領になったらなおのこと「贅沢はいけません」、と国民にお手本を示すべきなんでよね。なんであんな豪華すぎる公邸を、年に数度しか行かないのに構えるのか。豪邸に住んでいた政敵ティモシェンコ首相を収賄容疑で逮捕収監するやりかたは中国以外にも多々あります。

この人、安倍さんと同じに返り咲き二度目の大統領だが、経済政策に無策でロシアを頼りにウォツカと燃料安で民を欺くさまはOld Great共産党国家の独裁者に似ていますね。だ。

●プーチンvs EUオバマ組
プーチンはすかさず国境で軍事演習を指令し、オバマはなんか言ってますがメディア報道はちいさい。あれだけテロの危険をいい止めず、ロシアのゲイ対応を非難し、開会式出席を拒んだ西側首脳だったが、ソチ五輪は大成功だった。どの国の首脳がソチ規模の冬期五輪を開催できるか、手ェ挙げて見ィ!

東部とクリミア半島のロシア系を親ロシア国家、新政権の西部を親西欧国家に分割する予想が多い。それがしもプーチンは強く反対しないとおもう。キエフ政権にEUと米が市民の満足する支援ができるか、ヴィクトル政府を倒した市民のみなさま、EUはシブチンです。加盟交渉が再開されても、加盟は経済が持ち直してから、実現できても早くて5年先きです。(了)






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