安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ありがとう、首相靖国参拝(4)
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( 2014年 1月 6日 月曜日


●歴代大統領が日本憎悪をエスカレート
前回に示した韓国一般現代人のもつ日本への歴史的憎しみの根深さを考え合わせると、執拗なお詫びと賠償金を要求するあの国の態度を翻すことは不可能だ。この根深い対日憎悪があるからこそ、韓日関係の改善と未来志向を掲げた歴代新大統領が、人気が落ちると反日に転じては支持を取り戻してきたのである。

韓国政府は日本政府が歴史認識を改めることなど不可能と知りながら、次第にエスカレートし、ついに李明博の竹島上陸という行動に至って日本国民の嫌韓を激しくした。朴槿恵は最初からこの反日風潮に乗らざるを得ない国情のなかで出発したため、中国、欧米に誤った日本の歴史觀とやらを説いて回った。ただ政略ではなく本人の槿恵さんがホンキで信じているところが、日韓関係をニッチもサッチもいかない袋小路に追いやっている。朴槿恵政権ではたとえ日韓首脳会談をセットしてもより不和に 離れるだろう。このことは安部首相の靖国参拝で急に態度を硬化し、去年12月から翳りはじめた朴槿恵に利したようにいわれるが、それはうわべのことであって根っこの嫌日認識が増減はない。

●父を政治の道具にする中韓
朴槿恵は父・朴正煕の親日心と距離をおき、ある面では父を拒否あるいは無視する政治姿勢で臨んでいる。どう解釈すればよいのか、それがしの日常感覚では異様である。日韓条約を締結した父、その賠償金によって韓国近代化を実現した父、条約に含まれた慰安婦問題や民間賠償の終結。これら父が成し遂げた未来志向の成果を無視する政治姿勢は尋常ではない。父の経歴は全面的に日本の統治のお陰である。父が留学した日本に寄せる気持ちはないのか。クーデターで政権の座についた父など許せないというのか?

新年には歴代大統領の公式行事として国立墓地ソウル顕忠院に詣でている。父・朴正煕元大統領の墓もあるがなにより韓国大統領の恒例行事として訪れたにすぎない。気になるのはここにきて父の神格化をはじめたことで、独裁継承三代の北朝鮮とかわらない傾向がみられることだ。都合の良いように父を否定し、しかも逆方向に無謬の神格化を諮っている。つまり日本の賠償金と産業・技術の投資に依らず、すべて朴正煕の指導による賜物というわけ。父の神格化は習近平の手法と酷似している。

習近平は毛沢東の時代に失脚した父により、反動学生の烙印を押されて農村で重労働に従事した。このときの恨みを一滴も見せず共産党党員として頭角をあらわし、父・習仲勲はトウ正平時代に復活して改革開放を推進したが政治局乗務委員にはなれなかった。で、太子党たる習近平がいまやっていることは、父の轍を踏まず、毛崇拝の見直しと、父・習仲勲を神格化することである。

●無条件に祖先を崇める日本
さて、日本の政治家たちの父に対する態度をみると、安倍晋三の祖父・岸信介首相はA級戦犯容疑で巣鴨に入っていたが国民の尊敬を得ており、孫の晋三が最も尊敬する人物である。新年明けには山口に帰って父晋太郎の墓参りにゆくのが私的習慣である。
田中真紀子は父・角栄が金権政治家と糾弾されたロッキード事件の時にさえ父を庇った。鳩山由紀夫は言動こそ異質でルーピーであるが父・威一郎を供養し、GHQから公職追放された祖父・岸信介を誇りにしている。

ことほどさようにわが国においては、儒教文明の中韓とは祖先に対する態度が「純度」においてかなり違うようだ。儒教が『教え』を基に成立し、神道が『自然発生』したことが祖先観の違いに起因するのではないかとおもう。なかんづく中韓の生活理念である儒教は生活様式が一変した現在では「礼」は形骸化し文化遺産に残るのみとなった。

日本では条件抜きの祖先崇拝だが、中韓では祖先の行いに左右され、国民が崇拝するためには理屈が必要になる。そうして歴史を改竄するのである。戦犯を奉る民間靖国神社のあり様と、首相が参拝するかたちが中韓に理解されない理由は、こんなところにもある。(続く)






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