新年前後して、北米では零下二桁の雪嵐,英南部の雨嵐では一面の冠水、当地は奇妙な暖風と雨で土砂崩れや洪水の恐れ、東日本の寒風がきびしい。しかしケアが緊急なのは、雪積もるテント生活のシリア難民と北朝鮮の農民に対して援助するのが公道だが……。
●韓国の思い上がり
右肩上がりに経済が伸び、テレビ,スマホで日本を駆逐、朴槿恵大統領は就任後の米訪問でオバマに歓待され、感銘を与えた。オバマは韓国を偏重するクセがあって、前大統領・李明博が就任直後のWH会談の際、オバマは李のアジア論に感激、予定時間をオーバーし李の講釈に聞き入った。まあ、そのあと李のバケの皮が剥がれてオバマは冷遇したのだが、今回なぜ米が合同議会で演説の機会まで与えたのか、北朝鮮を睨んでの外交オベンチャラだろう。
しかし、韓国民は日本の首相が一度も呼ばれなかった上院下院合同議会演説、はたまたWH昼食会を共にした朴槿恵に国家として自信を深めた。数ヶ月前にオバマと会談した日本の安部首相は正味30分、食事ナシ、共同会見ナシだったのだから韓国民の日本に対する優越心はいやが上にも高まった。
●絶頂期のウヌボレは人間の性(さが)
時代の寵児になり国民的人気を博した者は、スポーツ,芸能会、産業界,金融界,政界を問わず思い上がる者である。思い上がりは個人にも、個人の総体としての民意にも言えることであって、我々にも覚えがある。超大国日本に酔いしれ、海外企業や不動産を買い占め、GDPでいずれ米を抜いて世界一になると身の程知らずに豪語した1970年前後を思い出す。イケイケドンドンと囃し立てに浮かれていたそれがしは韓国がやたら日本に挑戦的になる姿に苦笑するのである。
朴槿恵は通例の日韓首脳会談を飛ばして、中国へ。ここでも習近平を完璧といわれる中国語で会談をこなし、好印象をあたえた。晩餐会の栄誉に浴し、中国国営通信で持ち上げられて有頂天、アメリカも日本も忘れてしまったかのようだ。そのほか欧州への微笑外交で得点をあげている。ドイツでの「告げ口外交」は『歴史問題をドイツに見習え』という中韓の主張にメラケルが喜ばないはずはない。またメラケルは金融緩和、赤字財政が生理的に嫌いな人。アベノミクスに否定的であるから、膝を打って聞いてくれた。韓国は強い味方を得て一層自信を深めたのである。
韓国ぶらさがり報道は華々しく母国に自慢話しを伝えたが、欧州メディアはというと、暖かさと女性的魅力に欠ける朴槿恵をベタ記事扱いにしている。これも偏見なのだが……。
●朝鮮戦争後からの反日教育
歴史問題に関して日帝植民地時代の残虐圧制とやらに謝罪を要求する動きは、既に李承晩から連綿と続く反日教育による結果であり、親日とされる朴正煕すら大衆におもねて反日感情を放置した。80年代には保育園,学校で悪しき日本人の絵を描かせた。日の丸日本人を焼き殺し、撃ち殺す絵を、怨念を晴らそうと幼児から刷り込んできた。その絵を電車の中吊りに広報していたのである。三つ子のタマシイ100までも、先入観を消すのは難しい。小学校では日韓併合を一方的な日本の侵略と誇張し捏造した国定教科書が使われている。ちょうどパレスチナで「反イスラエルお絵描きを」園児から始めることと同断、疎ましく忌まわしい。
南北朝鮮半島の現指導者層は、朝鮮戦後(休戦)に始まった反日教育に親しみ、国民共通の歴史認識が出来上がった。いま60歳以下の韓国人はみなそうだ。日帝時代はよかったと呟いた老人が殴り殺された事件がありました。なお、江沢民の抗日戦争をテーマにした反日愛国教育は、反日で一致団結する韓国にならって90年代にはじまった。いずれも国内不満の目を逸らすため、日本を袖にしたのである。
●反韓に火をつけた李明博
こともあろうことか、上記小見出しの李明博発言は、非常識極まると日本側が反撥したのは当然であった。相手の感情が解らないのは慰安婦少女像を米各地に建てる韓国側であって、安倍首相の靖国参拝は相手の反応を予知してのことだ。韓国政府は讒言を繰り返し、今後もチャンスとみては噛み付いてくるだろう。(続く)