安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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クリスマス諸懐
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( 2013年 12月 26日 木曜日


●サイレント・ナイト
今年のクリスマスは事情在って息子一人とわれら夫婦の3人きりとなりました。かわりに年末年始にわっと息子娘が家族連れでくるので静かなクリスマスがありがたい。家中、例年通り飾り付けてクリスマス料理を頂きました。クリスマス・ビールはやめて、少しだけアケヴィットを通風を注意してほんの少量いただく。Aqauavit(水の精)とは北欧の国民飲料。ジャガイモの焼酎といえばよいか、香辛料を効かせたもので度数はウイスキーとおなじ、かならずストレートで呑む。聖しこの夜の楽しみである。

犬には休日も祭日も関係なしだから、1日2回の散歩が欠かせない。夜の散歩に9時ごろ出ると、いつもはビュンビュン車が走る国道がからっぽで、数百メートルの直線道路に街灯だけ、空っぽのバスと数台の乗用車にあったのみ、人にはついに出会わず。そして家々の電飾が毎年派手になり、窓々の明かりが普段の倍輝いている。目を外に向ければ、キリスト教国でもない先進国は余裕をイルミネーション競争や年中行事の一つとしてホリデー気分である。これでいいのか、「平和」すぎやしないか、ちと複雑に懐う。

●法皇の祈願「よりよき世界へ」
世界中で、サイレント・ナイトを楽しめる人が果して何人いるだろう。甘く見積もって人口の10%とすると、60億の人が難渋しているか絶望的なクリスマスを迎えたということ。法皇フランシスが7万人の観衆/巡礼者に、恒例Christmas wishを「よりよき世界へ」を主旨にシリア、スーダン、ナジェリア、中央アフリカ、イラクを挙げて、他者への思い遣りある人は誰でも「より良き世界」へ積極的に加わろう。と訥々と語りかけた。

フランシス法皇は選出されてまだ一年経っていないが、タイム誌の「今年の人Person of the Year」に選ばれた。この人の弱者への共鳴を抱擁する勇気ある姿勢とアウラ、公平な社会への訴えがバチカンの復活をもたらした。ともすれば権威的になりがちだった儀式を変え、とくに法衣のシンプルさが人柄を語っている。金ピカ煌びやかな法衣は好まないひとである。貧民街に入ったり、異形の病を持つ者を胸に抱くのを日常ことのように躊躇わない自然さは、豪奢な衣裳で飾る人間にはできない次元である。

●クリスマス・プレゼント、善と悪
_シリア政府軍の悪しき空爆
聖夜の24日、シリア政府軍がアレッポを空爆、10日間にわたる一連の空爆プレゼントで379人という。第二次世界大戦の東京空爆、ベルリン空爆を思い起こすようなアナクロ一般市民を無視した空爆が2013年にも行われるとは・・。シリア問題をオバマはプーチンにゲタをあずけ、要請を受けて化学兵器廃棄の仕事についた国連機関がノーベル平和賞に・・・一体どういう了見だ!

そこで韓国PKO軍が日本PKO自衛隊に銃弾1万発を無償提供したことについて、日本政府と韓国政府の発表が違うことでネットが熱くなっている。また日本の野党は武器輸出3原則のナシクズシ容認と批判している。大層なことですな。提供したタマは攻撃には使えない自衛用小口径で、一発80円、原価20円ぐらいだろう。政府としては80万円の支出にすぎず、それでも首相はじめ新NSCが協議して人道的に決定したことである。野党の批判は見苦しい。また現在の韓国政府や韓国メディアと意見や心情の一致はあり得ないのに、青筋たてることはない。現地の韓国軍部隊長から感謝の電話があったならそれでいいではないか。善意のクリスマス・プレゼントに二言は無用。『善(よ)きサマリア人』は黙って実行する。(了)

追補:スーダン内戦は、それがしが当地に来た70年始め頃から内戦が続いていて、これは部族間の争いだった。それで数年前に南と北に別れて北が独裁バシルの「スーダン」、油田地帯の南は「南スーダン」として独立した。ただし、積出港へのパイプラインは北が握っている。南スーダンの内戦を潘基文は政治的というが、覇権を争う民族間の内戦である。この辺の部族を細かく言えば村毎に異なるので、実際は一方の部族連合に対する別の部族連合との戦争である。あいだに立つ国連治安部隊や各国PKOが巻き込まれるのは避けられない。






Pnorama Box制作委員会


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