安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
東支那海のロング・ゲーム
------------------------------------------
( 2013年 11月 27日 水曜日


中国の横暴,一方的な「防空識別圏」のニュースはWSJを皮切りに、殆どの米紙と世界主要紙がとりあげた。先日は当地ノルウェーのTVでも報道されているので、世界的ニュースである。そして中国の評判を世界的に落としたのでした。 けれども解決策となると、これはロング・ゲームになりますぞ。あまり神経を使いすぎないように、我が安倍政府には、お腹に氷を乗せて冷静に対処願います。

●防空識別圏メAir Defense Identification Zoneモ
中国が突然、東支那海に防空識別圏を策定した発表に戸惑いました。ネライは尖閣取り込みと、艦艇や潜水艦の太平洋展開を容易にするためだろう。しかしこういう線引きは政府と軍が議論を重ね、国際的な反響も考慮したうえで発表するものでしょう。共産党独裁国家といえ、決定まで数年はかかるはずだ。

●線引きに国際規定がない
それで何がきっかけで中国独自の防空識別圏を出してきたのか、おもうに「領空」の範囲は領土の上空プラス「領海」の上空だから陸から12海里と自動的にきまる。だが領空の外で早く敵機を察知し駆逐するため海洋国家は防空識別圏を独自に設けている。だが日本はあるのに、中国はいままでこれを画定していなかった。

境界画定に国際的な取り決めがないところが問題で、今回のような中国による日本側に越境する識別圏が現れることになった。もちろん常識的な民主国家なら、他国に入り込む線引きなどあり得ないのだが、中国は民主国家ではない。中国がGDPで日本を追い越し世界2位になってから、高慢になった中国が屈辱的と考える国際取り決めをやり直そうと、特に「日帝」には強い敵愾心を持っている。

●占領軍から受け継いだ日本の線引き
日本は防空識別圏を米占領軍が策定し、実行していた線引きをほぼ受け継いだ。これは島々の領土と領海の線引きも占領軍から受け継いだのと同時である。このとき、尖閣諸島は引き継ぎ、なぜか竹島が外されたのだが、当時昭和45年の日本は国力がなく、李承晩ラインをただ見ているだけであった。おなじように当時の中国は釣魚島の帰結に関心がなかった。日本もうっかり与那国島を防空識別圏に忘れていて近年組み込んだのだが、これが中国を急き立てたと直接のキッカケといわれる。

●遅れてきた中国
日本に在って中国にない東支那海防空識別圏の設定には、 釣魚島を囲う必要があった。でなければ日本に敗北したことになると習近平と梁光烈は考えたであろう。だとすれば、米日がいくら撤回を求めても応じるわけにはいかない。

●ロング・ゲーム
危険なゲームは長引くが、この件で中国に擦り寄る国はないのだからいずれ中国から鉾をおさめて事実上は形骸化するだろう。米軍機B52が2機中国画が設定した海防空識別圏内を維持館ばかり飛行したことが大々的に報道されているが、あれは以前から予定していた演習であって、挑発とか出方を探る為ではない。 もちろん事前通報をしていないが、 スクランブルがなかったのは演習の詳細を中国情報機関が知っていたからにすぎない。米軍機の飛行を黙認しても、自衛隊機だけではどうなりますか。中国は明らかに米と日の行動をわけて対応するだろう。(了)






Pnorama Box制作委員会


HOMEへ戻る