安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ノーベル平和賞はマララさん?
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( 2013年 10月 8日 火曜日


先週金曜日の早朝、5時起きしてオスロの孫たちのお守りに行っておりました。土曜日の夜に娘と亭主が外出するので、そのための子守りに家内のお供をして格安飛行機で、空港列車は敬老半額、家から娘宅まで4時間で行けるので苦にならない。月曜の夕方に帰ってきました。

●ノーベル平和賞委員長ヤグラン
労働党の党人政治家ヤグランは引退の花道にノーベル平和賞選考委員会の委員長に祭り上げられて4年目である。1年目は米大統領になってほやほやのオバマ米新大統領に、2年目には中国の人権活動家 劉 暁波を選んだのは良いが、投獄された彼には何の支援も出来ない。中国政府の抗議と文化行事や輸入のボイコット、政府間交渉の中止に遭遇し、胡錦濤時代以来、両政府首脳の話し合いはない。

それで3年目の昨年は何を血迷ったか、暗愚のヤグラン(欧州評議会議長)は身内に近いEUを選んだ。授賞式後にはついぞ話題にならないEUの受賞でした。

●今年はマララさんコール
そこで今年の平和賞だが、先週末に選考委員会は最終審議を終り、誰に授与するかは定まった。発表は今週金曜日、それまで秘密だ。その間、受賞者に諾否を確かめ(過去に断った人はいないけれど、)国王と首相と国会議長に報告しておく(不満を表明しても変更は受け付けられない)。

下馬評のトップはマララさんだ。女子の教育権を訴える16歳の少女はヤグランがぞっこんの「平和の勇者」である。マララさんを推す世論が圧倒的、確率は高いとおもう。反面マララさんには「褒美は人のためならず」が該当するようにおもえる。

●奇跡の少女はパキスタンの志士
マララ・ユサフザイ(Malala Yousafzai)さんはパキスタンの女子教育の権利を訴え、タリバンの女性教育抑圧を非難、告発した可憐なこの少女は、タリバン過激派に頭と顔を銃撃される前から、11歳のときから国際的に知られた存在である。だからこそイギリスへ空輸され最高の手術と治療を受けることができた。顔面は左右やや非対称になったが、きちんと話せるようになった。現代の奇跡である。

国連では16歳とはとても思えない落ち着きで強いメッセージを演説。この少女は青少年の理想像であり志士である。

ノーベル平和賞に年齢制限はない。科学分野のノーベル賞は業績重視で老齢でも構わないが、平和賞の場合は受賞者の平和運動を支援する意味もあり、死期の近い人は選ばれない。若い人の方が適しているのだが、マララさんには懸念もある。決定的な忌避条件ではないが記しておく:
1)16歳でノーベル平和賞は生涯却って重荷になりはしないかというおもいやり。
2)タリバンの殺害目標にいま以上曝す危険を与えるべき出ない遠いう意見。
3)既に、講演や催しに引っ張りだこのセレブである。英国女王拝謁を賜り、ちょうど自伝(I am Malala)が出版されたところ。疲労させないか心配。

●ノルウェー保守連立政権、基本路線を発表
今日は当地ノルウェーの保守連立政権のプラットフォーム発表、ということで、実況ニュ−スが一時間以上続きましたな。新政権の基本路線を示すもので、税制、交通、医療、警察、移民など包括的な指針を2党首が示したものです。2党のこの非公開議論のあいだ数日間、内容が一切漏れなかった。珍しいことである。それだけ政権党の間に信頼関係があるのだろう。

2党首(女性)による政策基本路線は、移民政策や税制に保守党らしい転換があった。具体的には予算編成で決まることですが、さて結構な政策にどこからお金を都合するか,懸念孕みである。とはいえ、かつて労働党の首相として最短命で消えたヤグラン政府の基本路線発表が、子供騙しのような「4本の柱」と題するお説教じみた表明であったことに比べると、いまの社会的問題点に緻密なプロジェクトを打ち出し、雲泥の差がある。

閣僚人事は半分くらい固まっているようだが、14日の新政権発足前に発表される。首相はエルナ・ソルベルグ(右党党首)、財務大臣にスィヴ・イェンセン(進歩党党首)だけは言われなくても決まっているのですが。(了)






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