安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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トップ決断から連帯責任へ
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( 2013年 9月 3日 火曜日


● ギャフン、脱力
一昨日、WHでオバマの重大演説がin any minutes 行われるというので、30分以上待って、やっと出てきた。日本では夜中だが当地北欧では夕方8時前、シリア攻撃ゴーを期待していたが、勇ましい割には何か足りない。立ち添えしているバイドンの顔も冴えない……とおもったら議会に承認を求めるだって。ギャフン。

●イギリスの二の舞を望んだオバマ
イギリス・キャメロンが議会にかけて否決された。米議会は与野党とも賛否両論、市民は圧倒的に反対である。議会が始まる9日まで、オバマはボス議員たちをWHに招いて説得、電話説得で食事の時間もないとの由。議員たちは大統領権限を分かち合えるので、喜んでおる、バカみたい。オバマは本気なのか演技なのか?

●緊急軍事対応を議会と連帯責任に?

いつから緊急対応に大統領が議会に諮るようになったのか? ケネディはロシア核搭載艦艇のキューバ行き阻止に米空母急進を決断指令した。 レーガンはコソボ空爆を決めた。パパブッシュはイラクのクエート侵攻にすかさず電撃攻撃を、ブッシュJr.もイラク、アフガン攻撃に議会の承認を得ている。というのはあのころ大統領の攻撃開始提案を議会が阻むことはなかった。したがってブッシュが議会にわざわざ審議を要請することはなかった。

サッチャーはアルゼンチン軍がフォークランド諸島侵略を知るや、直ちに英海軍空軍を動員して反撃、フル戦争でイギリス領を護った。一身の決断である。議会の審議を待っていたのでははじまらない。ブレアはイラク侵攻にブッシュと二人で決めた。ま、イラン、イラク戦争はロクなことがないまま、いまだに爆弾テロがはびこる。結果は見ての通りの大失敗であったが、それは後知恵というもの。

10年前までは英米のトップに
「見て見ぬ振りは許さまじ、義を見てせざるは勇無きなり」
の気概があった。緊急かつ重大事件の決定に、いちいち議会に決めてもらうなら、誰だって大統領がつとまるわな。

●仏オランドも英米の轍に従う
フランスもそ、れじゃ当方も議会で決めますとなった。英米仏の協調は潰え、米は自由主義社会の信頼を失った。そうなると、アルカイダや反米シーアのヒズボラがより深くシリアに入るだろう。プーチンロシアがアサドにてこ入れを強めている。シリアで2度のサリン攻撃に、西側先進国は背を向けた。ルージュな暴力国家が強まり、応じてアサド政府軍が強まる悪循環だ。(了)






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