安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米英仏、シリア限定攻撃に連携
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( 2013年 8月 28日 水曜日


● シリア毒ガス使用への懲罰攻撃
シリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使われ、国連調査団は攻撃したのは政府側とほぼ断定。これによってレッドラインを超えたシリア政府軍への攻撃を米はいつまでも延ばせなくなった。国連安保では中露の反対で「国連のお墨付き」口実は使えないはず、かといっていつまでも手をこまねいていると「米は口だけ番長」と蔑まされるので、それは受け入れられない。

●キャメロンに尻を叩かれたオバマ
英首相キャメロンが早急にミサイル攻撃をと急ぐなか、シリア政府軍の軍事拠点、特に化学兵器製造所などを、東地中海に展開中の米艦隊から巡航ミサイルで昼夜猛攻する準備は整っている。英はキプロスの英空軍基地からミサイル発射が可能だ。あとはオバマのゴーサインをこの2、3日のうちに、遅くとも一週間以内に発せられるのを待つばかりとなった。

●まず地中海からミサイルで
英米のミサイル攻撃によって有る程度シリア政府軍の軍事拠点を破壊してから、爆撃機でピンポイント空爆を行う。ただ、既にシリア軍の対空ミサイルは、英米が躊躇しているあいだに各地に分散移動している。もちろん市民の逃げ足もはやく、近隣諸国の避難キャンプはどこも超満員である。親戚・知人を頼って国外脱出した者を含めれば300万人近くになるだろう。

●侮れないシリアの地対空迎撃ミサイル
英米の攻撃を迎え撃つシリアの地対空迎撃ミサイルは、リビアのものと比べて高性能である。ま、やってみなければわからないが。いづれにしろ、ロシアとイランが対抗措置をとるまでに終える限定攻撃である。また、 英米仏の空爆でいちばんオバマが恐れるのはシリア市民への巻き添えである。無垢な市民の犠牲者は世界世論の格好の避難材料である。アサド大統領府への攻撃はない、アサド国王の去就は シリア国民が決める国内問題に留めておく方針である。

しかしなんですね、2度の原爆投下を正当化する 米が、死者40人未満の化学兵器を「弁明不可の使用」、「道徳的わいせつMoral obscenity 」とケリー国務長官が息巻くのはそれがし頷かれませんな。

●エジプト軍モルシ派一掃にほぼ成功
エジプト軍は、モルシ派を反体制違法組織として兵器を使用した取り締まりに断固のりだした。指導者の逮捕があいつぎ、デモの招集に人が集まらなくなった。みすみす殺されるようなデモに行く一般市民はいない。アフリカ大陸内と部地中海に接する北アフリカでは,人種・民度が異なる同一に論じられないが、それでもエジプトの識字率は66%にすぎず、二千年の歴史を通して、暴力装置が国権を掌握してきた。現今のエジプトでは軍による統治がいつでも可能な状況にある。

●相手次第でできることから
サダトやムバラクが、親日だったからと懐かしむ気はない。パーレビ国王が君臨したイラン王制が親日だったと懐古する日本人はいないのとおなじだ。朴槿恵(パク・クネ)の父朴正煕(パク・チョンヒ)は親日だったとボヤイても栓なきこと の如し。阿部首相が湾岸諸国とシーレーン防衛で協力することは現実的手段として賢明な策、わが国への石油輸入の80%がホルムズ海峡を通過する事実を直視せよ。集団自衛権を憲法上出来るようにしたいと思う。(了)






Pnorama Box制作委員会


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