●ノルウェー版ディズニーランド
ノルウェー南海岸の南端に近いところにこの国で五番目に大きい都市クリスサンチャンがある。温かいといってもしれたものだが、ノルウェーでは最高に温暖な土地柄だ。オスロから車で三時間版半ぐらい、道程の過半が高速100キロで走れる。ただしベビー椅子に乗る上の4歳児は、突然オシッコを要求するので、路肩が広く停止できるところで用をたす。それがしも尿が近いので立ちションベさせてもらう。なに、高速で通過する車から顔かたちまで見えないからかまうものか。
クリスチャンサンの郊外にある[動物ランド]には、大駐車場まえにノアの方舟を象ったホテルがあり、家内とそれがしが4才と2才の姉弟と一室、部屋にはシングルあわせのベッド二つと、子供用の段ベッドがある。上の段は耐80キロと表示あり、それがしなら体を伸ばして安眠できそうだ。
さて、この段ベッドの上下で枕の投げやい、持参した一緒に寝るペット(姉はピンクパンサー、弟はきつねのヴォッチ, Fox)の奪い合いだ。いやはやたいへんなお守り役である。同じ部屋作りの隣室に、娘と洗礼を終えたベビーが入る。彼女の方は途中で母乳を与える時間があるので、結局我々が先にホテルに到着。
すごく大きく、子供に優しいホテルだが、プールがない。動物ランドの中の「プールランド」へというわけ、文句を言えば笑われる場所柄だった。簡単な昼食を済ませていよいよ入園、切符売り場は行列で混雑しているが、我々は事前にネット注文のプリントがあるので直接入場口へ、係員は白髪の紳士風、退職後の仕事である。
我ら夫婦が退職と知ったおじさんが、あんたもなにか適当な仕事をみつけたらいいよ、なんて楽しそうでした。
まず、童話の町[カルデモンメビー]、意味は「シナモン市」という童話の町へ。故Thorbjソrn Egnerによる絵と物語をそのまま実物の町に建てた市街である。お伽の町だが、らくだやろばいて、市電が走り、天気予報の科学者が住む灯台のような塔、警察所長さんや泥棒三人組など、豊かな登場人物がシアターを演じる。見物の子供たちとの寸劇もいれて、結構面白い。天気が良いせいか、来客が多い夏場は演じる方も嬉しいに違いない。小生も半ズボンにTシャツ、素足にサンダルばき、汗が出る暑さではないが、こういう格好で過ごせる事がほんとうに嬉しい。
しかし、二人に目が離せない。何処に行くか分からない特に2才のスタンレーは適度な距離を取って追尾するのに疲れる。それがしの痛風にややキツイが、見うしなえば、親の娘と家内の叱責に晒される。お爺の立場がよわい!これは一般的な現実なのか、少数のお爺さんにみられる現象なのだろうか。ともあれ、わが境遇をあまんじて受ける覚悟である。(続く)