安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米陪審員の無罪判決におもう
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( 2013年 7月 16日 火曜日


●あの世で幸せを「消波ブロックに二人の遺体、大阪、互いにひもで結ばれ」なんて見出しをみるとやるせなくジンとくる。女性同士の手首をビニール紐で結んであったという。海沿いの散歩道から入水したらしい。

●オレは怒ったぞ!

気が萎え凋む入水事件に反して、眼をつりあげて喝ッと怒鳴りたいのが土曜日、米フロリダ地裁の無罪判決である。弁護側もビックリ、容疑者のZimmerman判ってないのか表情かわらず、弁護人から祝福されてやっと笑みがうかんだ。おそらく大多数の米国民もオカシイとおもっているはずだ。 警察は当初、銃を撃った自警団団長を逮捕もせずハナから自己防衛と同じ穴の狢らしく軽く考えていた。社会正義は我にありというバカの集団、よき市民とおもわれる陪審員も日常生活を守る形式正義派だろう。一同は陪審過程について本をかくというが、バカの上塗りだな。

●陪審員六人は全員女性

検察が二級殺人罪(事前計画にないケース)を、陪審員にはより刑の低い過失致死に決定しても良いと言われていた。にもかかわらず六人全員が女性の陪審員は「無罪」決定を下した。裁判長も女性。陪審員は男女偏らないようにせよとは言わないが、納得できる決定ではない。O.J.シンプソン事件でも陪審が無罪を決定、のちに民事で殺人が認定されたが、履歴書の犯罪歴には無実である。全米各地で連日わき上がる抗議デモは当然だ。

●西部開拓時代の遺習、The Vigilante自警団

自警団は西部開拓時代からのアメリカ伝統である。過去には魔女狩りや、共産党員狩りをやった。警察でもないボランティアーが銃を持ち、ご近所を護る保安官気取りである。特に米南部では自警団員が、コソ泥を働く職にあぶれた少年たちをコミュニティーのために恣意的に厳しく取り締まる傾向がある。 少年は夜コンビニから出てきたところを見知らぬ男から車で追尾され、いかつい男が降りて少年に向かってきた。銃もナイフも持たない少年は恐怖をおぼえただろう。道路のセメント石を手に反抗しようとした。ならば落ち着かせて話の状況作りが必要のところを、すぐさま喧嘩腰にもみ合い、銃で撃ち殺したのである。目撃者の証言が一致しないこともあり陪審員は、容疑者の言い分「自己防衛」を全面的に認めている。被害者の少年もZimmermanにも殴り合いでほとんど血をながしておらず、逮捕された時にも頭に包帯がなかった。これじゃ正当防衛といえないのだが、物的証拠はほかにない。警察はもっと捜査を綿密に証拠を積み上げるべきだった。

●司法省が連邦制度で再審か

検察側は控訴できないが、本来、連邦警察が起訴を考慮していたが、フォリダ州の裁判に委ねた結果がこれである。デモの影響か、司法省は無視できず月曜日に連邦裁判所で再審の意向を表明した。

●オバマの無色コメント

司法の尊重と銃規制の必要でお茶を濁しております。そりゃ三権分立ですから中国でなし、裁判結果に大統領がどうこう言ってはなりませぬ。(了)

余談:無罪判決の原因に陪審員の人種差別があると多数の意見だが、ソレガシは賛成しない。ただ元自警団長はプエリトリカンで彼らは白人以上に他の有色人種に優越感を抱いているところから、黒人少年には偏見があった見解には同意する。






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