安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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厳しさます中国の夏
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( 2013年 7月 12日 金曜日


中国のニュースが文化社会面から,政治経済まで報道があいかわらず多い。多くはネガティブなニュースで、なかには中国経済の破綻が差し迫っているとの説も多い。

●慢性的な四川省洪水

被災者48万人(公式発表)という豪雨による四川省の洪水が、断続的に続いている。長江流域の洪水が増えているのは、上流の山峡ダムの影響か、世界最大の水力発電用に造成された山峡ダムは、流域の水害を防ぐメリットで反対の国際世論に対抗していたのだが、ダムが出来てから水害は逆にひどくなっている。因果関係はともかく,集中豪雨は近来の現象である。とはいえ、泥水に砕けるビル住宅の位置は人災といえる。欧州で水害を起こす大河も。中国の大河もだだっ広い平地をうねううねとゆっくり下るので、変な言い方だが洪水に好適な地勢が災難のもとである。とあれば、追いつかない護岸工事よりも、数b高い丘地に越す新市街計画を公共でできないものか。

●農村から都市へ、民族大移動計画

でも、あれほどの汚職国家では、全てが投棄ですからこれまで地方政府が実施した新都市建設の多くが幽霊ビルの立ち並ぶ廃墟のようになった。それでも懲りない中国共産党政府は、今後12年間で2億5千万の農民を都市へ移すプロジェクトを立てた。このニュースには肝を冷やした。日本の人口の>2倍を移動ちゅうことは歴史上の民族大移動、ゲルマンの大移動なんかもその規模はわからないが、12年で2億なんて途方も無い規模ではなかった。それがしは頓挫すると断定した。土地を失った農民に都市部の職があるか、対策はあるのか?

●バブルの軟着陸は可能か

先ごろ中国の「シャドーバンキング」が話題になった。習近平が闇の金融界を周総裁と結託して本気で潰し始めたものの、バブル崩壊と背中合わせの劇薬的措置とあってだめ押しする前に手をゆるめた模様。

中国の輸出輸入が停滞しているといえ、七%台の成長率があり、海外企業の撤退がと進み、投資が減少しているといえ、溜め込んだ裕福層(といっておこう)が握っている現金は平均化された欧州人には想像を絶する巨額である。そのお現ナマで、国内の豪邸や高級車や妾の数を競った裕福層が、米の豪邸やマンションを買いあさり、安くなっていた金を買い出したため世界の金相場が最高額に戻したほどである。

●海外旅行で評判を落とす中国人

海外旅行に出る中国人が多くなるにつれ、彼らの立ち居振る舞いが各地で顰蹙を買っている。例を持ち出せばきりがない。ま、止めときましょう。この種の話は日本では充分知られているので素通りします。ただ、金が落ちるホテルなど観光産業は堪えていますね。しわ寄せは後片付けが大変なルーム掃除や食堂の人たちである。

●中露、司法の無法

偶然の一致か、ロシアと中国で守旧派が有利になる裁判絡みの事態がある。
ロシア:四年前、マル査の男セルゲイ・マグニツキーSergej Magnitskijが、ロシアトップの汚職実態を実名(税務署と内務省の高官金額を示して上司に提出したところ、大いに称賛されたのであるが、税額滞納をでっちあげられて禁固刑が確定した。四年前のこと、撲殺されたという。しかし犯人の看取は裁判でマグニツキーが持病の薬がなかったためとされ無罪になった。そして昨日のニュースではプーチンが汚職高官は裁判で名誉回復した、と見栄をきっております。死人に口なしでアある。

中国:北京の米大使館に逃げ込んだが、政治問題に発展するのを怖れた「中国気兼ねしシイ」のオバマに断られて,中国側に引き渡された王立軍のこと。元重慶市の公安局長として辣腕を振るったおとこである。元気なこのおとこがいま刑務所で半身不随という。あまりにも急ではないか。秋に予定される親分の薄熙来の裁判に口封じされたのか? 薄熙来は党籍剥奪、公職追放となり、それにしてはちょくちょく公の行事に顔を出していた。薄熙来糾弾の先鋒だった温家宝首相は引退し、江沢民派の劉志軍には死刑判決が出た。習政権でも守旧派が盛り返している。(了)







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