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Nelson Mandela
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( 2013年 6月 29日 土曜日 )
●今世紀のグレート・マインド人間の偉大さは世界の青少年への啓発にある。ガンジー、キング牧師、マザー・テレサなど、業績以上に人々の精神を啓発して止まない比類なき巨人がいる。南アのマンデラこそ今世紀最大のマインドとおもう。 中学の頃ヘレンケラーさんが我が校を訪れ、女子を崇める歌を唄ったり、押し付けがましい文部省の情操教育であった。校庭には薪を背負って本を読む二宮金次郎(尊徳)の陶器像が置いてあったが、あんまりピンとこなかったな。リンカーンやケネディの偶像はほころび、湯川秀樹や乃木希典にケチをつける偉人受難の昨今、マンデラの一生は些細な誹謗を寄せ付けない。 ● 国葬の準備出たり入ったり27年に及ぶ囚人労働生活にわずらった肺結核のせいで、呼吸器疾患が持病だった。それにしてはもうすぐ95才、元ボクサーは体力強壮である。さて、生命維持装置が入ったので、南アのズマ大統領は予定のモザンビーク訪問を中止して、政府派お葬式の準備をはじめた。 既に世界のトップ記者を含む報道陣が続々とヨハネスブルグに結集している。誰が葬儀に参列するだろう、世界のトップや元トップが集まり、賑やかなことだろう。各国王室は他国の民間人(マンデラ氏は公的地位にない)の葬儀に出席しないが、 英国は皇太子が参列するのではないか。また、ノルウェー国王はマンデラに監獄の島を直接案内してもらい、いたく感銘を受けて以来長い親交がある。行きたいのは山々でしょうね。元トップではクリントンが必ず来る。クリントンが政治家で唯一無条件に尊敬するのはマンデラだけですから万難を排して出席するだろう。ブッシュJrは中東で戦争を始めるや否や、マンデラにバカ呼ばわりされ、こっぴどく非難されたが、WH に招くなど個人的にはいい仲である。ブッシュJr の肩を杖代りに手を置いて歩く二人の写真が微笑ましい。 オバマは大金を使った家族同伴アフリカ歴訪で(6-10億ドル、リムジン20台も)、マンデラを讃えていたが、今夜南アに入る。予定では葬礼には帰国するが、参列するなら最上席が与えられる。ああイヤだな。 ●マンデラは人を怨まない政治犯として終身刑を宣告され、石を割るいみのない重労働に課せられ、それでいて、裁判官、警察、白人政府の誰も怨まず、復讐を考えて糊塗がない。アパルトヘイト(人種差別)撤廃をアフリカ大陸で初めて成し遂げた。クリントンが「酷い目に遭いながら、なぜあなたは全ての人を愛せるのか」尋ねたら「わたしは人間を信じている」とあっさり答えた。無垢の根性というか、凡人のおよぶところではない。 ●現役政治を5年で引退南ア初代大統領になって数年で党首をムベキに譲り、一期5年を終えただけで政界から引退した。使命に忠実な政治家は権勢欲とは無縁である。正反対なのが画策して3期中にあるプーチンですな。これはこれでたいした知恵と実行力ですが。 マンデラ氏の延命措置は国葬の概要メドがつきしだい外されるだろう。不自然な危篤状態だが、国父の国葬とあらば、家族が占有できる人物ではない。マンデラ氏もお解りとおもう。(了)
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