安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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野焼き
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( 2013年 6月 21日 金曜日


●煙り霞のシンガポール
シンガポールが霞んでいる。春霞の強いようなな景色で、入江泰吉さんだったら三脚か舞えるところだが、あれは煙害による大気汚染である。自然の霧ではなかった。
わたしゃてっきりマレーシアからの煙りとおもったが、海を隔てたインドネシアの野焼きによる森林火災からの煙りであった。南からの偏西風にのってシンガポールから南シナ海にぬけるスモーキー・ウインド。

喘息の人はどうするのか、大気汚染度は過去最悪を二日連続で更新したという被害画出た。

●戸外で火は厳禁
気候変動が激しくなってから、慣習的な野焼きがコントロールできなくなっている。大雨ならいいが、強い風や乾燥空気など変化が激しい昨今である。当地、ノルウェーでは、戸外でものを燃やすことがいつごろからか禁じられて久しい。以前は森のなかにある離れのヒュッテで、枯れ木や不要物を外で燃やしていたのだが、煙りが起ち上がるのを見た人が消防署に電話するので、消防署からお目玉をくうことになる。警察がでてきたら罰金だ。

そう言う生活だったので、いつだったか秋に帰省したおり、地方へいったところ、懐かしいい臭い、畑では白い煙りをあげて野焼きのシーズンでした。自然の野焼きや草刈りの芝を燃やすくらいで増えるCO2は工業排出には比べて微々たる無視できるのだが、山火事の危険が大きい。こいいう風習も漸次禁止になるのでしょうか。

●風物詩、野焼きが消える
とはいえ歴史を辿れば、当地はむかし一面のヒースであったという。いまでも 秋になると丘一面が赤紫色のヒースの花で覆われる異常に美しい景色が見られる場所がある。

まだ牧草地が開墾途上にあった頃、牛は若いヒースのブッシュを食べていたという。ヒースが3年を過ぎると茎が太くなり牛が食べられないので、3年に一度ヒースの野原を野焼きし、また若い目が出て牛どもが喜び反芻するという。野焼きは大昔から農民の暦であった。野焼きを禁止する社会は発展ではないわな。

さて、インドネシアの野焼きであるが、これは企業がヤシ油の大規模農園を開墾するのに手っ取り早く燃やしてしまう。数社が同じ所でやりだすと野火となって燃え広がったためである。焼き畑農業のせいではなかったのである。

企業による野焼きを管理すれば対処できる人為的汚染である。ちょうど悪い場所に大都市シンガポールがあったから事態が注目された。以後きっと野焼きに夜森林火事がおこらないよう改善されるだろう。(了)






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