安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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G8を呑み込んだプーチンの力量
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( 2013年 6月 19日 水曜日


●北アイルランドで国際会議?
G8が閉幕した。北アイルランドでは暴動はおろか、デモもなかった。しかし「北アイルランド紛争」が政治的に終焉したといえ、首都ベルファーストはカトリックとプロテスタントとの住居地区は歴然と区切られている。なにしろ400年に及ぶ諍いである。イギリス軍は常時,世界の紛争地に兵を派遣してきたので、ロンドン・オリンピックもそうだったが、国際イベントの警備ノウハウが優れている。開催地のロックアーンはベルファースとから遠く離れたリゾート地であるが、それでもサミットの警戒はものものしく、完全に隔離されたホテルの敷地内で行われた。

アベノミクスに焦点があるかのような日本の報道に、わたしゃ驚きました。イギリスのニュースでは議題の70%がシリア問題、10%がタックスヘヴンやら多国籍企業の脱税を堂取り締まるかについて、5%が関税簡素化と経済連携の強化である。

●分からず屋メルケル
アベノミクスに関しては阿部首相の説明が特にデキがよかったわけでもないが、G8国が経済アップすることは歓迎すべきこと。金融緩和の出口がまだ明かにらできるワケがない。だからみなさんうまく行くように願うのが\せいいっぱい。反対の急先鋒はメラケルさんただ一人である。

この人は東ドイツでの耐乏生活が身に付いていて、経済が悪い時には慎ましく堪えよ、お金を刷るなどトンデモナイという根っこの考え方がある。日本の戦後がそうであったが、メラケルさんは今でも借金をしないで耐乏貯金に励めという。日本でも戦後の平和思想を引きずっている野中広務がそうで、アベノミクスに反対である。中国へ尖閣棚上げをご注進にゆくのだから、1950年よりまえの思想を引きずっている点でメラケルさんと同根である。

私の言いたいことは、メラケルさんのいうことは聞かなくてよろしい、ということ。南米諸国がかつて天井なしの財政出動で一から出直しを迫られた、あのような幼稚な経済政策の日本ではないのである。

●1:7で互角に激論したプーチン
サミットの前にロンドンでプーチンとキャメロンがシリアで丁々発止をやった。オバマもプーチンサミット初日に、個別会談でやりあった。アサドがサリンガス使用したとオバマが突けば、プーチンは人肉を食べる反体制派に言及する。無法な反乱者にアサド政権を支援するのは国際法に準拠している、というのがプーチンの論理で、反体制派に武器を渡すのは倫理に悖ると西側を非難する。

サミットでは1対7の劣勢だが、プーチンは負けていない。普通なら袋ダタキなんですがね。G8では筆頭ベテランの貫禄か。オバマの要求するアサド退陣は不発弾におわった。声明でアサド非難は盛り込まれなかったことが証明している。

北方領土の解決は、豪腕プーチンにしかできない。人物の好悪はこのさい問題ではない。交渉を急げ!(了)






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