安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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台頭する中国に悩む米
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( 2013年 6月 10日 月曜日


●円相場、おちつく
アベノミクスがどうのと言っても所詮経済は生き物、円安、株高で被害を受ける国はそのうち「為替操作」だとチャモンをイつけてくる。それでドル94円まであがったところで、足が震えなくなりました。ま、95円前後で安定してくれば、円相場が日銀の人為的疑惑はなくなりましょう。

給料に跳ね返っていない不満があるようですが、夏のボーナスは前年に比べればかなりふえている。ま、儲かっている輸出企業が主ですが、国内小売業も悪くない。

自動車産業ではドイツでは国内生産がさほど縮小されずに中国工場で作った分は中国市場で売却される。ドイツ車の伸びはしかし、国内工場の規模は縮小される傾向にある。気の毒なのはフランス、イタリア、スペインで、生産工場を中国に移しているので、企業は黒字でも、国内工場は8−12%減産したのでクビ切りがとまらない。考え合わせると、日本車はよくやっています。日本車の中国史市場も回復してきた。

●台頭する中国は米の悩み
中国のXi Jinping をObamaは、腫れ物に触るような風情。ビビっている。対中アメリカの落剥を見せつけた首脳会談がおわった。成果の無いことは分り切っているとはいえ、欧州では誰も気がつかない小さなニュースになっている。日本や韓国の為政者は関心がないフリを装っているけれど、実際は記者をたくさんパームスプリングへ派遣してカバーしているように、みなさん気が気ではないようだ。

終ってみれば、中国の言葉だけの正義が声明の中味である。力をつけたことで新華社通信は自画自賛ですね。アメリカは、例の新しい大国関係(New Form between Geat Powers)というXiの言に追従しなかった。米の取り柄はそこまで。

●正義は中国にあり
中国軍のサイバー攻撃で米の軍事機密が盗まれたり、米企業の中国発信ハッカーによる被害について、オバマは初日に持ち出したが、習には通じなかった。それどころか、ギロっと顔相が変って、米側はドキンとしたらしい。習は記者会見でオバマを横に、アメリカは中国のサイバー攻撃で被害を受けていると、人々が考えるようなメディアが横行している。中国こそサイバー攻撃の被害者である。米中がこの問題で協力して対応することになった。と、これじゃ暖簾に腕押しだが、本気でケンカする気があれば、中国ハッカー部隊の非を、米は本会議でやりあい、記者会見で非難できるのだが、米中のケンカは御法度のオバマ政権ですから、専門家チームで協議することにおちついた。これが負けのはじまりだ。

たとえば尖閣問題で日中が専門家協議をやっても成果はゼロ。日韓の学者による歴史問題懇談会はどうなってます? 中国ハッカーのハッカー被害は一番が米本土から、二番が\日本で3番が韓国。中国は表立って非難していないが、アメリカにも覚えがあろう、と凄む。 尖閣では自分たちの挑発行為はオクビにも出さず、「中国対話で解決を目指しているが、挑発する国がある」と正義は我にありを貫く。それをケリーやドニロンが先立つ訪中で習に直接講義されたのだから、うまくゆくはずがない。ドニロン補佐官はこれが最期のお務め、たよりない大将だったが、次期スーザン・ライスより格段のマシだ。オバマは選挙運動のお礼に与えた国連代表の地位から、安全保障補佐官にだと!イエスマン/ウーマンを側近に集めるようになれば、そのボスは地位保全に汲々とする権力亡者である。


●米がケンカできない国は英国と中国
英国とケンカができないのは独立戦争で勝たせてもらった恩と、英国にバカバしいとソッポ向かれるのわかっているから。米はロシアとならケンカした。フシチョフ、ブレジネフ、プーチンとなら口論できる。ところが今の中国とは経済関係がロシアの比ではないので、衝突は極力避ける姿勢が身についた。2020年だか、2050年には中国経済力が米国を抜く。多少の浮き沈みはあっても確実にくる。おそらくこれが米政府の恐怖のタネだろう。対中輸入超過の問題は、ジっと我慢しているのを見ると、曾て輸出力の強過ぎる日本繊維企業を潰した米の覇権はいまや影もなくなった。

米大統領とWHスタッフ、重要閣僚が二日かけて東海岸に赴いておもてなしをする、中国主席はそのような価値があるのですか。そこまでしないと会談に自信がないのだろう。ブッシュの牧場招待、ケネディのハイアニス/ポート招待等は金がかからない。なんどでも言う、オバマは史上最高に金遣いの荒い大統領である。安上がりだったのがニクソン、フォード、ブッシュSr。お懐かしい。(了)






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