安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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北朝鮮、威嚇の狙いは
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( 2013年 4月 1日 月曜日


●一寸の虫にも五分の魂
北朝鮮が核の脅しを国営放送で流すことが日常茶飯であった金正日の時代は、これを瀬戸際外交と呼んで、米の譲歩を迫るのが狙いとするのが定説だった。

金正雲になってから一年、威嚇の肩肘は限度一杯上がりっぱなしである。中国の自制勧告を無視した正雲の核実験やミサイル実験には、さすがに中国も腹に据えかねたか、習金平は今年二月の核実験以来北への重油輸出をストップしている。北の兵器運用に支障がテキメンに出るお灸である。

しかしこの後も北の威嚇はテンションをさらにあげ、日韓合同演習に米がステルス戦闘機を参加させたことで威嚇は沸騰点に達した。北軍が先制攻撃および臨戦体勢に完了したと豪語、日本の三沢、横須賀、沖縄を射程範囲に、米はグアム、ハワイ、 米本土の空軍基地、テキサスとアリゾナは射程範囲にある。

●背を向けた中国に北の阿り
米の譲歩を威嚇で迫ることが無意味であると悟った北が、この期に及んで懲りずにエスカレートする狙いは、中国への「阿り」(おもねり)である。

中国は北の国連制裁に異をとなえず、中国は独自の金融制裁を課するようになった。正雲体制が発足してから、青雲は胡錦濤にも習近平にもお目通り叶わず、主席になってから一度も中国訪問ができていない。習が主席の地位に就いた祝電が、これまでなら最良の同盟国としてトップに読み上げられていたのが、5番目に格下げされた。米・露は判るが、ミャンマー、タンザニアの次だもの、北朝鮮軽視を見せつけられた北が、動揺しないはずはない。

●核の威嚇にしか頼れない北
アメリカへ楯突くバッファーとして、親中唯一の国が北朝鮮だった。そのことで中国から、あれを呉れ、これも呉れと食料・燃料の基幹物資を タダでふんだくることができた。それが難しくなったいま、中国の歓心を買い戻すために、何が出来るか。いくら知恵を絞っても反米威嚇しかないのだな。それで精一杯核戦争を煽るまでになった。国家の頼りは核兵器だけとは、最高人民会議でも正雲は核開発の重要性を云々した。

ところが中国は、対米対決姿勢は時代遅れ、経済地位が米に継ぐいまでは少なくとも外交的には友好共存を標榜する。それなのにこの正雲、改め正恩は何をしでかすやら、中国は最近の北を快くおもっていない、制裁措置をとることを米に示す必要があった。

北は臨戦態勢といえ、軍に限ったことで、食えない人民を臨戦態勢に強要出来る余裕はない。平城の生活は平常通り何事もなしと伝わっている。(了)






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