安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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半死のイベリア航空
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( 2013年 3月 5日 火曜日


●ケニア
ケニアの大統領選挙が、今回は大きな暴動はおこらず、 無事終った。投票所が攻撃されたのが全国でたったの2カ所、死者は警官5人とあわせて10名ぐらい。アフリカの基準では成功した選挙である。あとは開票結果で落ちた方がすんなり認めてくれ、ICCに提訴されている候補が勝てば、裁判は取り消すように願いたい。でもしかしケニアの選挙なんて所詮、ふつうの日本人には興味ないわな。止めましょう。スペインの話題に移ります。

● イベリア航空、長引くストライキ
イベリア航空のストライキが2週間を迎えて、規模がおおきくなってきた。スペイン経済の冴えないのは今に始まった事ではないけれど、今般のスペイン債務危機による失業率は戦慄するほど高く(26%,若者56%)ホームレスが急増している。イベリア航空はスペイン国家を代表する、いわばANAがないJALのような航空会社が、過酷なリストラを2週間前に告げた。

3,8000人(全従業員の19%)解雇
継続社員の給料カット

一口でいうなら「大量解雇」と「賃下げ」、このリストラは全社員すなわち、パイロット、キャビンクルー、地上スタッフに及ぶほか、地上サービスを行う傘下の3社に適用される。

●飛ばないイベリア航空
日航が経営破綻に陥ったときに、こんなリストラをやらずに政府が助けた。いまのスペイン政府はイベリア航空ぐらいに破綻しているから、同類相憐れみ、労使仲介にも重みがない。

毎日ストライキを続けてきたが、ラチがあかず昨日は、イベリア航空の3労組すべてが参加したデモをマドリッド空港に向って後進、外見は陽気で楽しそうで、警官と衝突するすさんだ雰囲気でない。胸をなでおろして見ていられる。

そうはいっても会社側はこの2週間で38ミリオンドルを損失、ストライキで飛行機は35%から40%欠航、をまともに飛ばせないから、他の航空へ振り替えたり、払い戻したり。きのう月曜日のマドリッド空港イベリアのカウンターは、どうせ飛ぶ保証はないのだから客が来ない、無人の映像。ぎょっとする映像である。

さて、イースターまでに政府が仲介する労使交渉がロックのままなら。ストライキが 観光シーズンに突入、ホテルほか観光業界は脅威であろう。

イベリア航空が悪化した理由は2011年に子会社を合併したことと、大株主で経営統合したブリティッシュAWに客を取られたことにあるらしい。

90年代のパンナムの破産と消滅は、死者が出る大騒ぎであったものの、多くの従業員は米航空各社に吸収されたのだが、欧州では望めない。つくづく日航はラッキーでした。驕る勿れ 。(了)






Pnorama Box制作委員会

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