安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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財政カットなき大型補正予算
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( 2013年 1月 8日 火曜日


●補正予算
補正予算の政府案が明らかになった。「骨太の」という形容詞は小泉政権が始めた経済財政諮問会議がつくる基本方針を「骨太の方針」という前例に拠るとされるが、そんなことはどうでもよか。骨太のなんておためごかしに惑わされないよう願いたい。本日は。親愛なる阿部晋三氏に苦言を申す。

総額12兆円、復興、防災、公共事業、バンバンと4兆円超。クッ、骨太を感じましたな、不覚。でも、財政不足分5兆円超を国債発行でまかなうちゅうのがユルーイではないか。日本には赤字国債の発行に上限がないので、シメシメ、USAのような『財政の壁』問題がおこらない。赤字がGDPの2倍以上になってまだ安泰な国家という構造がそもそもおかしい、合点できぬのだが、日本国債の殆どがそれを手放さない日本人だからという通説に抗する術もなく、わたしも黙るしかない。円安株高の嬉しさもありますし……。しかし基礎年金の国庫負担なんて甘いポピュリズムがあり、財政カットはどした? 削る所はないの?

●原電怪談
ケッタイなはなしがある。原電(日本原子力発電)という東海村や敦賀の原発企業がある。ご存知のように電力会社と経産省の天下り癒着、技術者の高級で知られるこの会社はこの半年発電量ゼロ、つまり売る電力がないにもかかわらず、「電力購入料」762億3500万円を計上してボロ儲けしている。関西―東北の5電力会社が」基本契約負担料」を引き続き支払っているのがカラクリ。もちろん電力代に加算されているので痛みは市民である。廃炉にすると多額の予算引き当てで耐えられないという理由もあるが、国策だろう。「率原発」は完敗しましたから。

●勝海舟と赤字国債
財政カットなき金融緩和は、無責任なお気楽政府のせいだ。「財政拡大で景気が浮上してから赤字国債を減らす」というのが歴代政府のエクスキューズであり約束だが、一度だって実現したことがありましたか。赤字国債は膨らむ一方、重荷は次に政権に委ねて、自分の首相時代だけは景気がよかったと誉められたい…そいう誘惑はあるが、ステイツマンの前提は「滅私」でしょうが。国家の借金を断じた勝海舟先生なら「斬る」と氷川から官邸に馬を走らせるでしょうな。現代に生きていたら気の毒にテロリストだ。

●財政の壁に落ちるアメリカが見たい
さて、アメリカでは2月中旬に政府のお金がなくなる。国債発行上限が緩和されても、オバマは財政カットの条件を呑まざるを得ない。しかるに共和党の一部には政府の一部シャットダウンを言い出す議員もいる。これが実現されれば、世界の景気は引きずられて経済不能、ノーズダウン。中国も道連れだ。中国の場合は体制崩壊がオマケにつく。

「米財政の壁に落つ」……それがしが生きている間に見たい気持ちはないこともないけれど、世界が暴力的になるのもイヤだし、老人性痴呆症の戯言。気にされませんよう。

追記:「痴呆」が文字変換できず「痴呆症」がウィキペディアにない。禁句とは知らなんだ。千穂さんが迷惑するから? ノロウイルスが流行ると全国の野呂さんが困る伝ですか。痴呆症と健忘症は微妙に違うんですがね。(了)






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