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ノーベル賞の後閑に
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( 2012年 12月 12日 水曜日 )
わが山中教授の様子は邦字ニュースで沢山よみました。ご同慶、割愛いたします。
●選挙、倣えー右 46回衆議院選挙の在外投票をすませました。郵便投票ですが、16日までに本籍のある選管に届きますよう。維新の会が急に凋んだ。膨らんだ風船は、抜ける時には一気。石原さんのこれまでの主張と、橋下さんの言行は政策の先ッポで一致する点もあるが、出発理念が違いましょ? わたしみたいな石原支持者は二の足を踏み、橋下オタクは目が覚めた、ということでしょうか。 自民党が予想以上に得票する予想が、ノルウェーの新聞にも「日本右傾化」なんて見出しで出ておりました。当地でも来年早春に総選挙があり、右派連合が長期の労働党連立政権を破るのが確実でありますな。 ●EUトップが喜んだ平和賞 平和賞がEUということで、オスロの授賞式やバンケットや、朝食会やいま記念コンサートを実況している。なんでEUの加盟国でないノウェーが・・わからん。おめでたい行事ですから、国民絶対多数の反EU側が遠慮しています。昨夜の松明行列は、最近めったにない小規模、二千人くらいでしたが、予想の倍があった。うまい演説が沢山ありましたから、特に東ドイツで育ったメラケルが、いまの欧州連合をどれだけ喜んでいるか、感無量の気持ちでいることを静かに述べて印象的でした。財政破綻のギリシャ、イTリア、スペインなど、金融支援に一番厳しい条件をつけなかなかOKと云わないメラケルが、EUの意義と重要性をとても視野広く、考え深く、しかも経験から語るだけに胸を打つ。オランドが感極まったか、壇上を降りたメラケルをハッグしたもの。EUの絆と結束を確かめ合った機会になった。 それはそれ、ブレる人は少ないだろう。トラブル続きのEUは行政改革でスリムに、極道な加盟国は排除するくらいの一から見直しがいるとおもう。 ●EUが本部常駐を提案 さて、EUは平和賞への返礼なのでしょう、ブリュッセルの本部にノルウェーの代表部を置きたいと提案しました。推進派のストルテンベルグ首相は大喜びで受ける意向である。とはいえ、加盟名国ではないので、何の役に立つのか知りませんが、本部に出入り自由は結構だ。欧州議会でのオブザーバー地位は多くの大国、日本も保持するが、本部ビルに事務所を構えるのはノルウェーが初めてだ。しかし、次の首相と目される保守党首と協議もあろう、実現するかどうか流動的だが、一目置かれるのは結構なことである。 ●文学賞、倣えー体制 文学賞の莫言氏がしっかり体制派であることを国際メディアはやっと理解した。彼はソルジェニツィンではない、パステルナークですらない。体制ベッタリの作家である。注意深く中国で発売禁止にならない小説を書き続けてきた作家・莫言に中国政府批判を期待するのが野暮だ。 「劉暁波が早く自由になってほしい」と反体制派と思わせる発言の真意は『劉暁波が早く過ちを認め、体制に沿い自由になるように』と云う意味なのだ。莫言が、スピーチのひとつで、マスコミの取材と歓迎を『お花畑で下水のシャワーを浴びているよう』と言い表した。だれも直接非難されたと思わない言いこの回しは、さすが文学者である。(了)
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