安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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西行とスーチーの出家について
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( 2012年 11月 9日 金曜日


●オバマ、ASEANN へ
再選後のオバマ初の外遊はASEAN(東南アジア諸国連合サミット)に出席ときまった。
会議が開かれるカンボジアのほかにンミャンマーとタイを訪問するとWH報道官が発表した。今月17日から20日まで1日1国の予定。

米大統領がミャンマーに足を入れるのは初めてらしい。H.クリントン長官がスーチーさんと彼の地で会ってから1年ぶり、オバマはWHにディナーで歓待したばかりなのにまた会うのですな。もちろん公式にはティン・セン首相との会談ですが、スーチーさんはこの一年で何人の欧米首長と会ったことか、スーチー詣出はもういい加減にしたら。ま、実務的なはなしができる立場ではなくとも、南アを訪問した首長がかならずマンデラさんに挨拶に行くようなものか。

●西行とスーチー
西行は「行かないで」と泣きすがる妻と吾が子を蹴りとばして出家したという。帰ろうとうと思えば帰れたのに……なんて薄情でエゴイストなんだろう、とわたしゃ唾棄していました。スーチーさんも幸せな家庭を棄て、夫と子供達と永遠の別れを覚悟して祖国ミャンマーの民主化運動に挺した。祖国を出て家族のもとに帰ろうと思えば帰れたのに……。

西行とスーチーは互いに別世界の人間、目的はちがうがより崇高な使命、天命、神勅、言葉はなんでもいいが、そういう霊気の呼び声に従容(しょうよう)として独り、歩き出した人間である。小心者のわたしでも、なんとなく解るようになったのはトシのせいでしょうか。

子曰く「四十にして起つ」、「五十にして天命を知る」と。そういえば西行とスーチーを対比して、あれは天命だと悟ったのは小生が50歳の頃でした。しかし、天命が降(くだ)るのは歳が幾つであろうと関係ないだろう。孔子の言葉は凡人衆生に教える人生のことば。若者をしたり顔のひねたオトナにするだけです。

●保安官ケインと流れ者シェーン
ここまで書く途中で映画『真昼の決闘』と『シェーン』想いおこしました。
ゲーリー・クーパー扮する保安官ケインは、恋人を振り切り、汽車でやってくる殺し屋と対決する。Do not forsake me oh, my darling 俺を見捨てないでくれノノOh, to be torn 'twixt love an' duty. 愛と義務に心は千々に乱れる、のでした。
アラン・ラッド扮する旅の男シェーンは農民のために命をかけて単身、ならず者どもがいる居酒屋に対決に赴く。ジョーイ少年の哀愁をおびた呼び声Shane, come back! に馬上振り返りもせず、荒野のかなたへ去って行く。The Call of the Faraway Hills/遥かなる山の呼び声、山が呼ぶのであります。

これら名画は甘くまぶしてあるが、義と使命が基調にある。西行さんやスーチーさんと通じるのではないかと感じた次第。ちょいと違いましたかな。

    散るさくら 残るさくらも 散るさくら (詠み人知らず)

どうもきょうのコラムは千々に乱れる。オバマのせいだ!(了)






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