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大統領討論、最終回をまえに
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( 2012年 10月 22日 月曜日 )
●接戦に決着をつけるか、最終回討論
ミット・ロムニーが6ポイントリード、とこれはギャラップの調査ですが、激戦地のオハイオ、ウイスコンシンでもオバマがリードしている。フロリダはロムニーが制したようだが、ヴァージニアは拮抗状態がつづくなか、月曜日は最後の大統領討論がおこなわれる。しかしテーマは投票の選択にならない外交国際問題である。両人のパフォーマンスが決め手、演奏家にたとえれば、どちらがTV視聴者をよりうっとりさせるかで優劣がきまる。 ●失敗続きのオバマ外交 とはいえ、争点になる外交−国際問題におけるオバマ+クリントンの不成功について、最終討論の参考に書いておきたい。就任早々にオバマはエジプトでアラブと米の友好をブチあげて大向こうに感銘を与えた。そんなばかな、言葉でイスラムが米と協調できれば世話はないと反撥した人は少なくなかったが、その声はまだアウラに悪酔いしている衆にかき消された。 アラブの反米はますます強く、アフリカ、南米を中国に食い荒らされ、北朝鮮が「堂々たる核保有国」と国連で宣言するまで米は軽んじられ、印パの関係悪化に手をこまねく。中国バッシングで人気取りなどオバマは品位を失った。 手遅れになったイランの核開発ストップに、再選されたら来年直接交渉するとこっそり持ちかけたとの報道を、すかさずWHが否定した。最終討論のテーマになるだろう。 シリア問題をG20(6月)の機会にプーチンに掛け合ってみたが平行線一歩も進まなかった。オバマはメドヴェージェフに「次期には柔軟に対応する」とささやいてマイクに拾われ、品格をを貶めた。しかし基本的には、歩み寄ったり妥協して落としどころを探る交渉がへたである。ブッシュはプーチンと合意し、また出来なくても信頼関係を築いてきたが、オバマとクリントンがプーチンの選挙は民主的でないと非難した事を根に持ったか、オバマの傲慢さも重なってプーチンに疎んじられた。 ●ベンガジ米領事館襲撃、テロ断定のタイミング 第2回討論でベンガジ米領事館襲撃をロムニーが一週間後にテロと認識、対応が後手にまわったと非難したのに対し、オバマがその日にWHからテロとの声明を出したという。この二人が揉めた様子は、オバマがビシッとNo, you are wrongと取り合わない高姿勢なのにひきかえ、ロムニーは抗弁主張するが態度が優しい。モルモンらしいのだな。 司会のCandu Cloweが即日テロである。オバマが正しいとコメント。この場ではロムニーの虚言になってしまった。しかし、このテロ認識が後れたオバマの対応は共和党の論点として長く言われてきた事である。実際、声明を読めば一般的に言及したテロの一文があるが;No acts of terror will ever shake the resolve of this great nation, alter that character, or eclipse the light of the values that we stand for. 領事館襲撃を指してテログループの仕業と断定したわけではない。 ムハンマドのヴィデオに反米デモが燎原の火のごとくひろがっていた頃、しかも親米リビア政権を支える必要があって、プロテロ集団の犯行と確かな情報がない。おばまが即日に言えるわけがなく、ロムニーが攻撃する理由にならない。またオバマも威丈高に『言った』というほど認識していない。 ●ウラ目に出たモルモン・ロムニーの一挙一動 討論は当地の時間で真夜中3時から中継、2回目は3時に起きるつもりが40分後れ、途中からみた。前回と一変してオバマが優勢だ。タウンミーティング形式はオバマの苦手とされるが、オバマはゆっくり歩き回り、観客席全体に目配せがある。一方、質問者の前で律儀に答える話し振りで動かない。いまさらどうなるものでもないが、モルモン教徒らしい態度は毅然としたシマリにかけ、ものたりない。 ところが、わたしの印象と逆に、モルモンの本部ソルトレークの新聞があろうことか、最後の討論を前に右寄り共和党に変節したとしてロムニー支持を撤回、オバマ支持にまわったではないか。理由はものたりないのではなく、ティーパーティーの支持を得るためリベラルから右寄り共和党に変節したことによる。 ●悶々かつ粛々と さて、22日(日本時間23日朝)両者は3回目最後の公開討論に臨む。場所はフロリダ、投開票日まで15日にせまった。接戦のわりには土壇場にきて興味も中ぐらいなり。オバマが史上2番目の若さ・51才で退任するところを見たいとおもう反面、ロムニーの経済政策は砂上の楼閣、期待がもてない。ま、政治がダメでもアメリカは前に進むけれど、日本は官僚が堕落する。(了)
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