安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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報道の自由とタブー
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( 2012年 10月 19日 金曜日


●報道の自由とタブー
マスコミは視聴者の自慢にならない興味本意な欲求と相乗してやりすぎるのではないか。その行き過ぎたよい例が橋下市長の出自・家族系譜を掲載した週刊誌である。

報道の自由は思想的に間口がひろくタブーは無きに等しい。イスラムを批判したり、カリカチュアを描いた作者や出版社はどの当事国でも法によって護られている。米のヴィデオでは制作者が事情聴取で拘束されたが起訴されていない。

●非道、無意味な出自による差別
同和問題を語るのはよい。しかし公共媒体が法律で抹消された出自による差別のレベルで家族系譜を暴露公開するのは、橋下氏の言うように一線をこえている。戸籍法で抹消され、役場役所から破棄された部落民書類だが、人の口は塞げない。ごく最近まで銀行や大企業の採用には、興信所や調査事務所を使って家族関係を調べ、部落出身者を排除していた。いまでもお見合いの相手を興信所にいらいして性癖や病歴を調べているだろう。人を過去のカースト出自で差別する非道は人種差別よりさらに陰湿で許せない。わたしはいつか書きとめておきたいこの目で見てきたやるせない友の想い出がある。

おそらく現世代に過去の被差別部落にたいする切実な問題意識があるとおもえないが、市長の仕事ぶりや政策と無関係な私的領域に土足で荒すような暴きは一片の謝罪で治めてはならない。少なくとも「週刊朝日」は一号休刊して謹慎を示してほしい。

余談1:橋下徹市長がいう「血脈主義」は耳慣れない語、念のため広辞苑を開くとですね、ないのです。純血主義は現実に存在し、血統主義は法律用語でもあるが、血縁主義などドクトリンとしてはおかしい。
余談2:英語でレッドラインと呼ばれるこの一線を超えると「開戦」である。イスラエルはイランが核開発レッドラインを超えたとオバマに迫る。だがオバマはのらりくらりとイランのレッドラインを明確にせず、先の国連総会ではナタニエフに会いたくないばかりにどの国の首長にも会わないことにした。スーチーさんを歓待したけれど)米訪問のイスラエル首相が大統領と会わなかったのはイスラエル建国以来初めての珍事である。

●時の二人、千里の逕庭
はなしを変えます。
ノーベル山中伸弥さんは奈良の小学校へ通っていた。自慢げだった奈良市育ちのわたしの足をすくったのが奈良出身という森口尚志なる騙り研究者である。この二人のようなピンとキリの隔たりを難しいことばで「千里の逕庭」という。

せっかくのおらがくに自慢にドロをかけた研究員・森口某の将来は閉ざされた。刑事訴追されるかについても学会が究明することである。マスコミが根ほり葉ほり調べて報道するのは人の道に悖る所業と知れ。科学者とて人並みに名誉とカネに弱い、その比率はどの業界でもおそらく変わらないだろう。名誉の誘惑に負け、森口論文に共同執筆者として名を連ねた学者ら、ウソで世渡りする者どもの多寡も学歴と関係なく社会の各層でほぼ一定している。(了)






Pnorama Box制作委員会


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