安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラン、通貨暴落
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( 2012年 10月 4日 木曜日


_テヘランで反政府デモ
イランの通過・リアルが暴落、火曜日にテヘランのバザールで1000人規模の抗議デモが起こった。アフマディネジャドのお膝元でデモは珍しくもあり久しぶりの出来事である。

イランの核開発(イランは原発平和利用のための研究と主張)疑惑に業を煮やした米が経済制裁を実施してから18ヶ月、以来これでもかこれでもかとばかり次々に制裁の項目を追加してきた。今年1月、IAEの査察に応じないイランへの制裁がアマイと批判されていたオバマがイランと取引のある銀行の口座を封鎖、制裁に加わらない国への石油輸出代金まで凍結された。

これでイラン政府の石油収入が45%も減少、そこへ追い討ちをかけるようにEUがイラン石油の全面禁止を決定した。日本は福島原発の波及で火力発電用の原油増が不可欠としてイラン石油の継続輸入を米に認めさせた。

_対ドル75%安
米の制裁がはじまった18か月前から「リアル」は対ドルで75%安、デモが起こる数日は毎日25%も落ちるありさま。市場ですりよってくる両替や-street venderは一時間ごとに両替率を変える忙しさ、商売にならない。

イラン経済のエキスパートでBBCに寄稿するBy Amir Paivar によると、イランの両替ビジネスに三つあり、一つは先述した、通りで買い物客やツーリスト似直接交渉するダフ屋まがいのあんちゃん。二つめは南欧の観光地でお馴染みの両替店で、小窓ひとつ店もあるが、政府公認である。イラン中央銀行の公定為替よりやや低めのレートである。三つ目は上記二つの両替ビジネスの総元締めである闇のマフィアが牛耳っている。

_マフィアが牛耳る為替
そして、このマフィアがイラン中央銀行の為替扱いより多いという。先週末から暴落が起きたのは、両替マフィアがドル、ポンド、ユーロなどの外貨をテヘランのバザールへ出し渋ったことが引き金になった。

「欧米の経済制裁で得するのは中国とロシア」だ、制裁は意味がないとよく言われるがそうでもない、やはり効くのである。政体が代われば中国ビジネスがオジャン似なることもあり得る。アフマディネジャドの政府は経済政策似能力なし、最高指導者ハメネイ師は政治・経済に頓珍漢で「外国の干渉を受けない」一点張りですからいづれイランの宗教政治は崩壊する。

今度のデモの映像では、圧倒的な警察隊と捕まれば重刑に処せられるため、逃げ腰である。当然だ。アフマディネジャドに対抗する人物が現れない強権の状況のもと、政府を倒すのは難しい。政府転覆が先か、イスラエルのイラン核開発施設の空爆が先か。(了)






Pnorama Box制作委員会


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