安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
(続)2012ロンドンの夏、英国の底力
------------------------------------------
( 2012年 9月 15日 土曜日


●パレード
オリンピックとパラリンピックの選手800人以上が21台のオープン・バスに立ってロンドン市内をパレード。集まった観衆が100万人、といえばダイアナさんの結婚パレードに匹敵する大観衆である。



ところで日本ではオープン・バスが新聞用語のようですが、ロンドンは名物2階バスが多いので、その上に立つと危険きわまりない。使った車はコンテナー・ロリーのよう。英国ではこのパレード車をOpen-top floatというそうです。

マンショハウスを出発して、トラファルガー.スクエアを通過、バッキンガム宮殿の前にあるクイーン・ヴィクトリア・メモリアルまで、およそ4キロでしょうか。実況中継は全行程ではないが、選手の表情から群衆の歓呼の声、ヘリから空影を挿入して見飽きない。ロンドン五輪はイギリス・スポーツの黄金時代を築いた。メダル数で中国と米国に次いで第三位、金メダル20個を獲得。パラリンピックでは金34個、メダル数120個でどちらも中国、ロシアについで三位である。

●斜陽英国の底力
英国の人口は日本の約半分ですから、この成績は英国の底力がスポーツでもトップであることを印象づけた。世間では、イギリス経済は依然として悪く、ユーロ危機に引っ張られて、先が見えないといわれる。もちろん異存はない。オリンピック期間中はロンドン中心部から人が遠のき、ショップは閑散とした。ま、8月になってオリンピックに釘付けされていた市民がもどり、小売りが伸び、売れ行きを60%伸ばした百貨店があったほど。失業率もやや改善し、8%、失業者は260万人ですから、失業率に関してなら日本(4.3%)は天国のようだ。新卒の10%が就職出来ないといえ、イギリスの若年層失業率は20%にも達するのです。

だが一国の強さは、いうまでもなく経済成長率がすべてではない。因に最近のランキングをみれば一目瞭然であろう。次の両ランキングともイギリスのシンクタンクが作成したものである。身贔屓があると思われがちだが、中国や米などの組織が発表する格付けより信頼出来、権威がある。大学ランキングは国際科学誌に発表した論文の数や、教授陣の業績を主に考査し、設備や学生数や授業料などで競う者ではない。

●世界の金融センターランキング 2012年9月
 Global Financial Centres Index
1位・ロンドン(英国)
2位・ニューヨーク(米国)
3位・香港(中国)
4位・東京(日本) *順位を上げた
5位・チューリッヒ(スイス)
6位・シカゴ(米国)
7位・上海(中国)*急上昇したが来年はどうなりますやら
8位・ソウル(韓国)
10位・トロント(カナダ)

●世界大学ランキング2012年3月  Global Universities Rankings 
1位 ハーバード大学(米国)
2位 マサチューセッツ工科大学(MIT)(米国)
3位 イェール大学(米国)
4位 コーネル大学(米国)
5位 シカゴ大学(米国)
6位 ロンドン大学(イギリス)
7位 インペリアルカレッジ・ロンドン(イギリス)
8位 コロンビア大学(米国
9位 スタンフォード大学(米国)
10位 プリンストン大学(米国)
*11年のランキングから米国勢の台頭がめざましく、上位に4校あった英国勢が2校に後退、研究費削減のためか。東京大学は前年の30位から25位に浮上。京都大学も前年から3位上がった。

●全米テニス、涙のアンディ・マリー
オリンピックの余勢が乗り移ったのであろうか、英のアンディ・マリーがジョコヴィッチと4時間を超えるフルセットのすえ勝利した。マッチポイント、最後の強烈なサーブにジョコヴィッチの返球がラインオーバーした瞬間、ここは4大会制覇を達成した嬉しさに歓喜雀躍するのがあたりまえなのに、マリーは全身の力が脱けたようにしゃがみ込んでしまった。立ち上がった目はウルルでありましたな。

観客席にいた元祖「007」のショーン・コネリーは立ち上がりもせず、静かに拍手していましたが、やはりイギリス人には感無量なのでしょう。イギリスが全米テニスを制したのは76年ぶり、ショーン・コネリーが7歳のときとアナウンサーが語っていました。エ、もうそんな歳、しかし貫禄ありますな。

アンディ・マリーが記者会見でしみじみ「今年はジョコヴィッチとフェデラーが最強」と言っておりましたが、試合ではともかく実力ではわたしもそうおもう。今回の偉業は東日本大震災と日本の再建を背負ったナデシコ・ジャパンがWCで米に粘り勝ったチームの意志の力を思い起こす。アンディ・マリーもまた2012年の英国を背負っていたのではなかったか。(了)






Pnorama Box制作委員会


HOMEへ戻る