安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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2012ロンドンの夏、英国の底力
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( 2012年 9月 12日 水曜日


●スポーツ・ナショナリズムと日本
20日、久しぶりに50万人もの大群衆が、東京の道路を埋め尽くす映像を見ました。金メダル数はさびしくても、オリンピックで過去最高のメダル数を獲得したお祝いのパレードにクソ暑い中、50万人も沿道に居並ぶ人々の動機は、というと、メダリストや選手たちに「よくやった、われら日本のほまれ」との気持ちがなければできないことです。すごくナショナリスティックなのです。でもへんですね、写真を見るとみなさんの挙げる手に手にはスマホがある。人気選手を撮影しているのですな。この国のナショナリスティック(愛国)はとても平和でスポーツに適応されるのみ。

政治的な集会では起こりえない。竹島や尖閣諸島で、かなりの日本人が熱くなっているが、抗議集会はよくて数千人の集まりである。近年珍しい大集会といえば反オスプレイ配備の沖縄県民大会に主催者側のいう10万人はオーバー、5万としても稀な規模である。

●想定外の大成功、ロンドン・オリンピック
さて、本日のお題、英国の底力についてです。ロンドン・オリンピックは画期的な成功を治めた。開催前にロンドンを訪問したロムニーが、言外にテロと警備を危ぶむケチをつけたところ、ロンドン市長に反撃され市民感情に水をそそいだ。もしや大統領に選出されても、ロムニーはロンドン市民の心を永久に失ったといえよう。アメリカは経済停滞(Not a month, not a year, nota hundreds year)で日本のテツをふまない、と恥の上塗りもしでかした。

●火事場の馬鹿力
ロンドン・オリンピックはは主催都市として文句のつけようのない成功裡に終幕した。オリンピックでは当事国がふだんより力を出し切ってメダルを多く勝ち取る。この現象を火事場のバカ力という。寝たきり老人がまびつころびつ自力で逃げ出し、細腕のおかみさんがタンスをかついで焼ける家から飛び出した、なんていう昔噺にあるあの馬鹿力のこと、シャカリキ、神通力のこと、即ち高揚した精神情態における超自然的なパワーである。

●BBCプロムス、最終公演のサプライズ
続いて行われたパラリンピックもイギリスで盛んなだけに強い。8日夜、BBC交響楽団プロムスの2012最後の夕べ(Last Night od Proms)がTV中継され、オリンピックで盛り上がった熱気が最高潮に達した。軍服も混じる自由な服装で旗は各国の観客が持ち寄る自国の旗、いつも必ず日の丸が二つ三つあり、大多数のイギリス国旗は、ユニオンジャックや白地に赤十字のイングランド旗、もっと古い十字軍騎士の赤十字を振る者もいる。日本での旭日旗にあたる旗だが、堂々と出せる国が羨ましいかぎりだ。

屋外ビッグ・スクリーンは満席のアルバート・ホールに接するハイド・パークほか
全国23カ所で中継され、ベルファーストやマンチェスターなど数カ所がTV実況の合間に、映し出された。本日のサプライズは終演近くに金・銀メダル選手の全員登場である。大変な人数、舞台にスペースがないので銅の選手は招待できなかった。
湧く観衆、英国の誇りと文化・歴史の底力まざまざと見せてくれました。

(続く:明日はオリンピックとパラリンピックの選手パレードに100万人が沿道で歓呼する様子、テニス全米オープンで優勝した英アンディ・マリーの粘り、などについて)






Pnorama Box制作委員会


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