安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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維新八策、その言やよし
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( 2012年 9月 1日 土曜日


自民党総裁選は谷垣、阿部、石破の各氏ほか数人が出馬するようですが、阿部氏と石破氏は度胸、知力、実行力、どれをとって最高の政治家である。幸い次期選挙は民主党が惨敗するので自民党党首が次期首相になる。待ち遠しいな。

●日本をリセットする
国勢に参画する「維新の会」が総選挙の準備に間に合わせて「維新八策」の最終案を発表した。冒頭:
日本再生のためのグレートリセット 
これまでの社会システムをリセット、そして再構築
給付型公約から改革型公約ヘ
〜今の日本、皆さんにリンゴを与えることはできません。
リンゴのなる木の土を耕し直します〜

いやはや驚きました。中央も地方も、日本の行政システムをHDのようにワンタッチでリセットできましょうか。出来たら世話ないよ。「給付型から改革型へ」とはなんだろう。リンゴの比喩はおもしろい。国政の土壌をひっくり返して耕し活性化するという意味なのでしょう。いまの日本、皆さんはリンゴ=景気浮揚が欲しのですがね。

●現国会議員、官僚、公務員が鼻白む「維新八策」
お手本「舟中八策」の一枚メモと比べようのない格段に冗長な「維新八策」であるが、通読するのに10分もかからない箇条書き のため、どうしても抽象的な文言の羅列になりがちだ。しかし、中にはギョっとするような具体数値目標もある。紛れもない橋下代表の理念と基本方針から導き出された細かい項目である。その80%はいまの国会議員さんや官僚・公務員には到底受け入れられないだろう。

大阪府・市の公務員制度改革を(頑張ったものは報われる、能力、実績主義、職位に見合った給料)を国に広げるとどうなるか。国は外交、安全保障、マクロ経済などに人的資源を集中し、国内政治は地方・都市の自治体に委せる。いわゆる上意下達から国と地方の分離行政である。首相公選、参議院は廃止の方向へ、衆院定数を半減−現行480を240に、歳費その他経費や政党交付金3割削減、政治資金規正法に鑑み「すべての領収書開示、ネット選挙活動の解禁、

公務員の関係では:人件費削減、身分保障の廃止、採用試験の見直し、社会人中途採用を基本、人材流動性、管理職の公募制、給与の年功序列を廃止、職務給制州(定期昇給を制限)、所属する自治体首長の選挙活動を制限する。

●地方の首長が教育委員長の役割兼務
教育教育では現職先生がたを身震いさせる数々の項目、英語とICT教育を世界水準に引き上げグローバル人材を育成、平等横並びの生徒指導から脱却し、個人の能力を伸ばす(飛び級や落第もありかな)、教職員労働組合の活動の総点検、教育行政を文科省から地方に分権、教育委員会を廃止、これを首長の権限に移し直属の第三者機関が監視する。校長や学長の公募。

ほんの少し、要約して書き移ししただけで上記のようになった。重要な具体策はTTP参加、憲法改正の発動議を現行の衆参各3分の2以上から2分の1以上に改正、9条改正の是非を国民投票に委ねる。『日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備』とあるが、日米安保については何も書いていないので、この部分は不明瞭。日米安保を継続するも徐々に自衛隊が増強され実力が上がるにしたがい、米軍基地を縮小するということか。それなら賛成できる。

いくら大阪人に維新の会が人気あるといえ、大坂都構想では東京都民をキズつけており、大阪人にも橋下ギライは大勢いる。橋下維新の会代表が政権を奪取する気配はないのだが、お手本「戦中八策」の坂本龍馬の気概に並ぶResetならぬRestorationである。その言やよし。(了)






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