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(5)慰安婦
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( 2012年 8月 24日 金曜日 )
●パンパン見学
<従軍慰安婦>、気の進まないないことばだ。小学上級生の頃、担任の先生に連れられてクラスで米兵のパンパン通りを端から端まで歩く『見学』に行ったことがある。学芸大学付属小学校の先生が何を教える目的で12歳の小学生を連れていったのでしょう、何も頭に残っていない。占領米兵に媚びを売る日本社会の堕落ぶりを見学させるためか。MP(米軍警察)と書かれた鉄兜が市長さんより権力者であった。屈辱を知れ! ということでしょうか。いい先生でしたが、あとで父兄会からクレームがきたようでした。 前後の事情はみな忘れたが、あのパンパン見学は実におもしろく印象的でした。鉄条網で囲まれた米軍兵舎の前の通りに原色のペンキを塗った小屋が色とりどりの豆球で飾られ、ずらっと並んでいる。黒や白の米兵にくっついて楽しそうなパンパンの姉さん、真っ赤な口紅から大きな歯を出して「なに見に来てンの」と、パンパン嬢は笑顔でした。 赤ランプと二つ三つのテーブルがある小部屋が外から見える。今思うと暗い待ち合いバーなのだろう。覗くと椅子に米兵とパンパンが抱き合っていた。ぼくら悪童ははしゃいだが、女性徒たちはうつむいている。早く通り過ぎたかっただろう。後年のわたしが、女性の気持ちを忖度するようになった原点ですかな。 ●米兵慰安婦と米軍の関与 さて、こういう私娼の施設は誰が作ったかといえば、米軍と連絡窓口になっていた市役所が斡旋業者に募集を一任した。あるいは米軍と懇意のこの道の業者(旧軍人が多い)だとおもう。場所の区画はもちろん米の指示で市が青写真を引いたはずだ。だだっ広い草地だった平城旧跡の南側にモスグリーンの米兵舎が並び、パンパン通りは兵舎の正面通りにある、唐招提寺は赤線通りから1歩いて15分ぐらいか、あの頃はGHQの意向を絶対命令と拝領しなければならなかった。環境、景観おかまいなしである。 占領時代に7―8万人といわれる米兵相手の日本人慰安婦、その募集に際しては米軍の調達命令書もある。また日本の代理業者がおこした次のような悲劇もある: 米兵と文化交流の名で募集したところ、日米の架け橋になろうと清楚なお嬢さんが応募してきた。その夜米兵の相手をさせられたのである。コト終えた少女は、首かき切って命を絶ったと。このエピソードはジョンダワーが著書に書いている。悲劇は写真集・基地の子ら、黒人との混血児を育てたエリザベス・サンダースホーム、アメリカに渡って苦労した戦争花嫁、などで知られるところである。朝鮮戦争の休暇地に日本の米軍基地が使用されたことはTVシリーズ・MoAoSoHでご承知の通り。そして今も本土、沖縄の米軍基地には米兵相手の女性が健在である。 ●突出した韓国の戦時慰安婦観 長々と日本の事情からはじめたのは、戦時には世界中どこでもあった慰安婦の存在を、「従軍慰安婦」と恰も軍が戦地に連れまわしたような呼び方をする。これは韓国だけだ。日本帝国軍が少女を強制的に連れ去り、人権を奪い、青春を奪い性的奴隷として酷使されたと非難する。いったい何のことかピントこない。度過ぎた自虐史観は異常、野田首相の「どうしちゃったんだろう」は正直な感想だ。 慰安婦問題で日本批判の急先鋒となった米下院議員にマイク・ホンダという日系議員がいた。この問題で政府の公式謝罪と補償を要求する下院の「慰安婦対日非難決議」を、下院議員の98%が欠席した下院で手品のように可決させた嫌日マニアックなでした。日本軍は強制、米軍は自由募集と身勝手なホラを吹いて廻った人だが、この日韓論争の絶好機に出て来ませんね。いまどうしているのでしょう。 ●International Harassmennt セクハラやパワハラが普通に使われる。政治的に国際イジメを「インハラ」と呼べないだろうか。以下そのインハラの例: ▽ソウル、日本大使館の前に慰安婦を示す少女のブロンズ座像を設置。 ▽カリフォルニア州、韓国人が多いグレンデール市は『従軍慰安婦の日』を制定し、韓国史観丸呑みの批判スピーチ。 ▽ニューヨーク、韓国系が過半数を占めるパリセイズパーク市の図書館前に「慰安婦キリムの碑」を建立。女性を捕獲する兵士の筋彫りと銘文:IN MEMORY OF THE MORE THAN 200,000 WOMEN AND GIRLS WHO WERE ABDUCTED BY THE ARMED FORCES OF THE GOVERNMENT OF THE IMPERIAL JAPAN.…… 日本帝国政府の軍兵が20万人の夫人少女を拉致……、文末に人間性に反する恐ろしい犯罪を忘れるな、とある。(写真は銘版の上部3分の2) ●盲目的人権正義好きの弊害 人権正義の好きなアメリカ人は、グリーンピースに踊らされ、ロシアの若いラップ女性歌手3人が、教会でプーチンと神を冒涜したとして2年の刑をうけた事件は、日本では殆ど知られていないが、欧米では連日トップの大騒ぎでした。マドンナはじめ、著名芸能人や人権派がロシア批判を展開した。しかし、ロシアの世論調査ででは彼女達を弁護するのは6%しかいなかった。あれとおなじことをお寺の本堂でやったら総スカンまちがいなし。人権侵害には調べもせず非難する欧米市民の単純さがホトホト情けない。 アメリカのアジア系商業売春はフィリイピンやタイを抜いて韓国女性がたくましく進出して名を馳せた。非難の口と現状との落差は隠せない。慰安婦問題に関しては外にも法的な日韓の立場、重ねてきた謝罪、民間を通した補償などなど書いておくべき事つきないが、もう疲れたピリオドにします。 終りに、橋下市長が「軍による強制連行はなかった、あるというなら証拠を出せ」と爽快な冷風、背筋がしゃきっとした感じです。(了)
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